ファイナルファンタジーで打線組んでみた【どれが面白いのか?】
ドラクエと双璧をなす国民的ソフトにして、世界でもっとも人気のある和製RPG、ファイナルファンタジー(FFと略称される)シリーズ。
ナンバリングだけで15作もあります(話のつながりはないタイプなのでどこから入ってもいい)。
とくに優れた名作はどれなのか?
独断と偏見で代表作をピックアップし、打線を組んでみました。完全に個人の好みなので悪しからず。
なおわたくし1~3と11は未プレイなにわかユーザーですが、ご容赦ください(1~3はピクセルリマスターが移植されたらやる)。
以下、それぞれのタイトルを解説します。FFに興味のある人は参考にしてみてください。
ちなみにドラクエ版はこっち。
1(遊)ファイナルファンタジー6
スーファミ最後のFFがこのFF6。最後の2D作品でもあります。ドットによる表現は極限の領域に達しました。DQ5やクロノトリガーと並び、スーファミのRPGを代表する存在です。
FFってFF5までとFF7以降で作風がだいぶ違います。さてFF6はどっち側なのか?FF5の延長線上にあるともいえるし、FF7はすでにここからスタートしていたともいえる。
実際にはどちらの要素も色濃いです。まさに過渡期の作品であり、見方によっては5までのFFと7以降のFFの良いところをすべてあわせ持った最強の存在と言うこともできるのです。実際、これを最高傑作に推す声も少なくないですね。
味方キャラが10人以上と異様に多く、しかも固定の主人公が存在しません。各キャラにストーリーが用意されていて、いわば全員が主人公なのです。
ストーリーの展開も当時としては衝撃的でした。最近でもドラクエ11のストーリーに影響を与えています。
2(二)ファイナルファンタジー4
ハードがファミコンからスーファミに変わって初めてのFFがこのFF4。ドラマチックなシナリオを採用しキャラを全面に押し出す、いわゆるJRPGの元祖の一つです。
実はシステム面で革新的な作品でもあります。バトルにATB(アクティブ・タイム・バトル)を採用し、コマンド戦闘に時間の概念を導入したのです。
このシステムって今考えてもすごいですよね。コマンドRPGは現在でも色々と出ていますが、結局このFF4より革新的なものはなかったんじゃないか?
コマンドバトルはこの時点で最終解答を得てしまったのかもしれません。
3(三)ファイナルファンタジー5
個人的にはこれかFF7のどちらかがシリーズ最高傑作だと思っています。5はシリーズでも屈指の明るい作品です。まあ泣ける展開とかもあるんですが、基本的に「陽」です。
そしてFF5といえばジョブシステム。様々なジョブに自由に転職し、アビリティを覚えたりつけかえたりします。このシステムが後世に与えた影響ははかりしれない。今でもスマホゲームなんかでジョブが登場しますよね。
ジョブシステム自体はFF1やFF3にもあったのですが、この5における進化はすさまじく、ドラクエ3の転職システムを軽く置き去りにするほどのものでした。
これ以降もFFタクティクスやFF11やFF12やFF14でジョブシステムは登場しますが、ジョブといえば5のイメージがあります。
4(中)ファイナルファンタジー7
4番はFF7。世界でいちばん人気のある日本製RPGです。
ほぼ完璧なソフトですね。まずこれといった短所がない。しかし小さく綺麗にまとまったソフトというわけでもなく、むしろあらゆる要素がハイレベルなのです。
しかも時代的に2D→3Dの技術革新を体現する存在でもあります。おまけにゲーム機戦争に終止符を打ち、プレステの覇権を決定づけたソフトでもある。
内容の良さに加えて、こうした外的な物語性をも味方につけた、ほとんどチートじみた存在がFF7だといえるでしょう。
関連:なぜFF7は神ゲーと評価されるのか【たぶん理由はこの7つ】
リメイクのほうも間違いなく良ゲーですが、この打線に入れるかというと微妙。分作なので、ぜんぶ完結したら可能性あるかなって感じですね。
5(捕)ファイナルファンタジー・タクティクス
オーダー唯一の外伝作品です。タクティクスオウガなどの名作SRPGを手掛けた松野泰己による、シミュレーションRPGと化したFF。タクティクスの頭文字を取って、FFTとも呼ばれます。
ジョブシステムを採用している点が特徴。FFの伝統的システムと松野の世界観が融合することにより、言葉では言い表せないようなマジックが生じています。あまりにも神ゲー。
ウィーグラフ戦の前でセーブしてしまい詰みかけたのもいい思い出(あれほど必死に試行錯誤を繰り返したことは人生で他にない気がする)。
SRPGにはファイアーエムブレムなど優れたシリーズが多数存在しますが、100万本を超えるセールスを記録したのはこのFFTだけです。
6(左)ファイナルファンタジー9
ファンタジックな作風が特徴的なFF9。原点回帰を謳ってはいますが、むしろシリーズの異色作といったほうが正しいでしょう。
世界観のセンスが素晴らしく、もうその時点で勝ち確定みたいな感じ。FFあんまり合わないけど9は好きみたいな人も少なくないと思う。そして女性ファンが多い。
シナリオは坂口博信の思想(生と死)が色濃く反映した、テーマ性の高いものです。エンディングのカタルシスはシリーズでも随一だといえるでしょう。
システム面で単調すぎるのが残念か。ジョブシステムのような高度なシステムが搭載されていれば、シリーズ最高傑作の一角になっていた可能性が高いです。
7(右)ファイナルファンタジー8
日本で最高の売り上げを記録したFFがこのFF8です。400万本という恐ろしい数字。社会現象を巻き起こしたドラクエ3が380万本ですから、FF8のすごさがわかります。
マニアックなシステムが特徴です。こちらがレベルアップすると敵のレベルも上がったり、魔法を精製して装備品としてセットしたり、街中の登場人物とカードゲームができたり。
これほど賛否の分かれる作品はFF8とFF12ぐらいじゃないか。FF7やFF10といった大衆的人気を誇る作品のあとに、FF8やFF12といったマニアックな作品を出してしまうところが、よくも悪くもFFという感じ。
注目したいのは音楽の良さ。全盛期FFのトレードマークの一つとして(あるいは最大のトレードマークかもしれない)植松伸夫の音楽があります。彼の才能が絶頂に達したのが、たぶんこのFF8です。FF6までのわかりやすい音楽とは異なるプログレ的な奥深さがあって、作品に強力な陰影を与えています。
またシナリオもFF7に勝るとも劣らぬ複雑さで、ハマる人は見事にハマります。以下の解説動画など興味深いです。
8(一)ファイナルファンタジー14
2002年に発売され歴史的な大成功を収めたオンラインRPG(MMOと呼ばれる)、FF11。その後継を担うべくスクエニが2010年に発売し、歴史的な大失敗を記録したのが旧FF14でした。
同社はこれを反省し、FF14の作り直しに着手。2013年に新生FF14として生まれ変わります。さらにその後3つの大型拡張コンテンツを投入。2021年には重鎮ワールド・オブ・ウォークラフトの失速も手伝い、MMO界で世界一の存在となりFF11をはるかに超えるソフトにまで成長しました。
古き良きFFの世界観が再現されているのが本作の長所。FF1~6、タクティクス、9、12。このへんが好きな人に刺さります。伝統のジョブシステムも採用されています。
ほとんどのパートをソロで進めることができるのもポイント。ダンジョンのマルチプレイもモンハンの救難信号のようにシステム側が勝手にパーティ構成してくれるので、コミュニケーションの必要がありません。この気軽さもヒットの一因かと。
ストーリーは王道のノリですね。ちょっぴりドラクエっぽい匂いがあります。シナリオの評価が非常に高いFF14ですが、FF7やFF10とはだいぶ感触が違います。
関連:FF14がFF10並みに泣ける名作だった件【新生・蒼天・紅蓮・漆黒】
9(投)ファイナルファンタジー10
投手を務めるのはFF10。異色作にして神ゲーの名をほしいままにする、シリーズ代表作のひとつです。
FFシリーズのなかでどころか、すべてのゲームのなかで最高のシナリオを持つと評価されることすらある作品です。
恋愛ゲーと見せかけて実は親子ゲー。それが功を奏し、パッと見の印象に反して、年を重ねるとますます好きになれる作品です。それが長きにわたる人気の秘訣だと思います。
よくFFはナンバリングごとにシステムが変わると言われますが、それはだいぶ話を盛っているんですね。しかしFF10は本当にすべてが大きく変わりました。ATBの廃止、スフィア盤によるキャラ育成、マップが一本道、キャラクターボイスの採用、舞台がアジア、主人公が明るいスポーツマン、などなど。
これだけ変えたら普通は駄作になります。クソゲーまっしぐらですよ。しかしそれをシリーズでも上位の神ゲーとして着地させたのが、スクウェアのスクウェアたるゆえんですね。
スクウェア最後の(12以降はスクエニ)、そして坂口博信が関わった最後のオフゲFFがこれです。
で、どの順番でプレイすればいいの?
以上、FFの名作で打線を組んでみましたが、ご覧のとおりFFはナンバリグごとに個性があって、どれが名作なのかについても人によって意見がバラけます。
2020年の3月にNHKで放送された「FF大投票」によると、一番人気はFF10、2位がFF7とのこと。
ちなみに個人的なFFランキングはこんな感じ↓
FF7(原作)
FF5
FF10
FFタクティクス
FF14
FF9
FF8
FF4
FF6
FF7(リメイク)
FF12
FF零式
FF15
FF13
でもこの順番で人にすすめるかというと、そういうわけじゃないんですよね。やっぱ相性がありますから。7や10が好きじゃないって人もふつーにいますし、13や15が一番好きだっていう人もいます。
FF10とFF7(原作)は鉄板
まあとりあえずFF10とFF7は鉄板じゃないでしょうか。10は入りやすいですよね。
7は原作をやってください。リメイクは分作で序盤までしか終わらない上に、原作や派生作の知識を前提とした作りなので。7にハマったらそのままクライシスコア→アドベントチルドレン→リメイクと進めばオーケーです。
システム派にはFF5とFFTとFF12もおすすめ
さらに、システム派のひとにはFF5が超おすすめです。というか7や10と並ぶ代表作なので全員におすすめしたいのですが、ジョブシステムが奥深すぎるのでそれに躊躇する、というのが実情。
システム派にはそこからタクティクスと12もおすすめします。12はジョブが搭載されているゾディアックバージョンで。
ストーリー派にはFF4とFF6とFF8とFF9もおすすめ
ストーリーの強いFFといえば7と10ですが、4,6,8,9もなかなかのものです。
ストーリー主体ながらもシンプルで王道なのがFF4。それに加えて厨ニ感を増したのがFF6。
FF7に負けないくらい複雑なのがFF8(恋愛系が苦手な人は要注意)。王道でかつ10と14の次くらいに泣けるのがFF9です。
探索派にはFF12とFF15もおすすめ
RPGゲーマーには、世界を探索するのが好きというタイプもいますよね。そういう人には12と15もおすすめできると思います。
どちらのタイトルも製作途中で主要スタッフが交代して未完成のまま出てきた問題作ですが、探索に関していえばかなり強いです。
とくにFF12はそっち系のゲーマーから最高傑作に挙げられることも少なくない感じ。FF15も探索好きな人にほど刺さる可能性が上がります。
オンラインに抵抗がなければFF14を始めよう
だいたいこんなところじゃないでしょうか。で、オンラインに抵抗がないならFF14を始めればいいと思います。
14は主人公を自由に造形できるオンラインゲーム。やり込みや探索が多いのはもちろん、ストーリーやキャラの評価も高い。MMOの枠外で見ても神ゲー扱いされている名作です。たぶんFF10の次に泣ける。
ソロでプレイできる部分がほとんどなので、やろうと思えばモンハンみたいなMO感覚でもプレイできます。