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バシャール・ペーパーバック全8巻を読破した

2023年10月31日

1980年代に一世を風靡した伝説の本。

バシャールはエササニ星の住人とされ、チャネラーのダリル・アンカに降りてきて宇宙や人生のしくみを語ります。

このシリーズは、1987年に来日したダリル・アンカのチャネリングセッションを収録したもの。全部で8巻。7巻と8巻は2002年のセッションを記録した追加版。

僕は最近バシャールの存在を知り、まず『バシャール×坂本政道』を読んでみたところ、とんでもなく面白かったのでこっちも買いました。

以前はこういうオカルト系に寄ったものにはまったく関心がなかったのですが(宗教哲学系は好きだった)、最近なぜかこういうジャンルにも抵抗がなくなってきました。

「本書の内容を信じているか」と言われるとなんとも答えがたいですが(そもそも「信じている」がどのような意味をなすのかが難しい)、全知の存在から「本書の内容はおよそ確かなものかそれとも完全な妄想か、どちらか答えよ、なお間違えたら身体に電流が流れるものとする」と言われたら、僕は「本書の内容はおよそ適切である」と答えると思います。

ちなみにチャネラーのダリルはハリウッド映画でビジュアルエフェクトの仕事をしていた人物だそう。「スタートレック」や「パイレーツオブカリビアン」などにたずさわっています。1973年にUFOを目撃し、それからチャネリングができるようになったとのこと。

ちなみにバシャールいわくダリルは彼の過去生にあたるそうです。バシャールは一度だけ地球に生まれたことがあり、それがダリル・アンカとしての生涯だったと。われわれの時間軸で考えると頭が混乱しますが、要するにダリルは未来の自分(エササニのバシャール)とチャネリングしている形です。

「バシャールが本当に異星人であるかどうかは重要じゃない。そうではなく、本書に書かれた内容から自分の人生に活かせるヒントを見つけられないかどうかを確かめてほしい」という姿勢で書かれています。

実際押しつけがましさはなく、読んでいて楽しい気分になれる良書。きわめて明るいトーンがあるのが特徴といえるでしょう。

以下、各巻で印象的だったところを記録しておきます。

バシャールペーパーバック第1巻~パラレルライフとオーバーソウル~

バシャールに特徴的な主張のひとつに「パラレルライフ」というのがあります。時間というものは存在せず、いくつもの人生は同時並行で存在していると。

それぞれの生命は元となるひとつの「オーバーソウル」から派生している。このオーバーソウルから見れば、すべての人生は同時に存在するといいます。ちょうどアルバム写真のなかに色々な時代の写真が同時に存在しているように。

そして、カルマと呼ばれるものはその各種人生間でのバランスだとバシャールはいいます。

悪いことしたから次の人生でバチがあたるとかじゃなくて、全体のバランスが取れるように自分でその人生を設計するんだと。犯罪の加害者になったからといって、次の人生で被害者になる必要は必ずしもない。たとえば困っている弱者を助けまくるとかでもバランスは実現すると。

自分自身が「もうポジティブな経験しかしない」と決意したなら負のカルマは断ち切れるのだそうです。その選択肢があるんだと知りそれを選ぶなら、もう地球に生まれないことも自由だとバシャールは言っています。

・幸せになるためにソウルメイトが必要だと考えていると、ソウルメイトなしの自分は不完全だという思念につながり、自分の不完全さを証明する人物を引き寄せてしまう。

・自分は完全だと知ったとき、自分の完全さを反映する人物が引き寄せられる。

・ネガティブな行動をする人は、自分の自由な意志が現実を作り出していることを知らない人。

・木星と火星のあいだに昔マルベックという星があった。

・地球はフォーカス度の高い、制限の多い場所。

・地球を選んで生まれた魂は勇敢。

・地球のよそ者は人間、クジラ、イルカ。

・睡眠中に夢を見るのは他の次元の色々な自分とつながるため。

・小さなことでも、その瞬間にもっともワクワクを感じることを行う、それが真実の道。

 

バシャールペーパーバック第2巻

内容的に巻が区切られているわけではなく、1巻の対話の続きがひたすら収録されている構成です。

・愛の反対語は憎しみではない。むしろ罪悪感が愛の反対語。

・人間社会は一人の人間のなかに男性と女性両方のエネルギーがあることを忘れた。同性愛者はみずからのうちで両方のエネルギーを一つにすることにより、それを社会に示している。

・地球人よりもネガティブな振動数をもつ宇宙人は存在するが、地球人の振動数は彼らに比べて高いため、彼らから見つかることはない。

バシャールは何度も「人類の振動数が上がってきている(霊的に進歩している)」と言います。これけっこう不思議ですよね。われわれの感覚からすると、むしろ昔の人間のほうが霊的に成熟していて、近代以降の人間はレベルが低下しているような印象があると思うんですよね。

・嫌いな人間をイメージしてそれを裁いても、自分のなかのネガティブなイメージを強化するだけ。あなたはただなりたい自分になればいい。

・ありとあらゆる存在するものすべてが神。

・感情は自分の固定観念に対する反応。なにかの感情を感じたときはチャンス。「このように感じるのはどのような固定観念をもっているからだろう」と自分に問いかけることで、自分自身の先入観や信念を理解できる。

・ワクワクすることのうちに自分の使命がある。使命を果たすために深刻になる必要はない。

・人は何度も輪廻転生するけれども、この人生は1回だけ。だから人生の大きな目的はそれを100%生きること。

・カルマは自分で選んだもの。他の誰かから背負わされたものではない。

・貧しい不遇な環境のなかで生きる人たちを、かわいそうな存在と思うことはしないでほしい。その環境を選んで生まれてきた魂の強さを、まずは見てあげてほしい。

・今は今。過去は過去。自分でそう選択するのでなければ、現在と過去にはなんのつながりもない。

・身体を脱して魂の状態になると、自分で考えたものが即座に現実化する。だから死後に最初に目撃するものは、生前もっていた「死後の世界」のイメージの現実化。

これはニール・ウォルシュ『神へ帰る』の記述と一致しますね。『プルーフオブヘブン』のエベン・アレグザンダーが臨死体験で最初に真っ暗な闇に閉ざされたのは、彼が筋金入りの唯物論者だったからだと思われます。

・死んだ人には愛と祝福を送るべき。彼らの死後の学びと成長のために祈る。

・怖れは自分への慈悲が足りないことを表す。自分の人生を信頼できていないということ。

・努力をしなくても色々なことが起こる。スムーズにものごとが進展する。これがワクワクすることをやっている合図。

 

バシャールペーパーバック第3巻

・地球の文明で混乱が起きてきたのは、みんなが違う見方をしているからではなく、違う見方をしている人たちが、自分の見るものこそがいちばん正しいと思ってきたから。

・すでに存在しているものは無に帰することはない。なぜなら無のほうは実現化しえないものをすでにすべて含んでおり、もうスペースがないから。

↑これなにを言ってるのかよくわかりませんが非常に印象的。

・この次元では人間同士は実は直接的な交流はしいていない。めいめいがそれぞれの夢を見ているだけ。

・死後の世界についての知識をまったくもたないがゆえに、死んだあとも自分が死んだことに気づかない人がいる。

↑スウェーデンボルグの本に同じような記述がありました。

・人工知能は、人間が作り出した非常に居心地のいいシンボル。人間はそれを通してハイヤーセルフ、大いなる自己とつながる。

↑人工知能が肯定的に語られています。しかもスピリチュアルな意味をもちうることが示唆されている。

・猫はふたつの次元に同時に住む。

・虹はこれが最後の生まれ変わりだというシンボル。

・ハイアーセルフはオーバーソウルの一部。そしてオーバーソウルは宇宙をつかさどる無限の意識の一部。

・太陽系の惑星はある程度の意識をその表面もしくは中にもっている。

・シリウスは精神のレベル、エササニは意識のレベル、地球は肉体のレベルにある。

・すべての痛み、苦しみ、病気は自然な本来の自分に抵抗することから生まれる。いちばん楽なのは本来の自分になってしまうこと。逆にいちばん難しいのは自分以外の自分になろうとすること。

・人は永遠の存在なのだから急ぐ必要はない。早く進みたいと思うのなら今自分がいるところのものを100%やること。

 

バシャールペーパーバック第5巻

第4巻はおもにバシャールが瞑想を指導する内容だったのでここではスルー。第5巻の内容をメモします。

・地球人は無限の意識に気づきはじめている。「この人生だけがすべてだ」という錯覚から離れはじめている。

・すべてのヒーリングは結局のところ、自分自身で自分で癒やすこと。

・心配とワクワクは同じエネルギー。自分を疑えば心配に、自分を信じればワクワクになる。

・多くの人が夢の中で異星人からのコンタクトを受け取っている。バシャールにとっては物理次元のほうが夢や想像に近い。

・輪廻もそこからの脱出も自分の自由。しかし可能性の幅に思い当たらずに、前世で起こったことから自動的に次の人生を選ぶ魂もいる。

・未来の予言はありえない。予言は今のエネルギーを察知するもの。そのエネルギーがそのまま行けばその結果につながる、ということにすぎない。

よく予言者が予言を行いますが、おそらく未来を変えるために現在への介入として行われているケースも多いと思われます。

・光のスピードは無限。毎秒約30万キロメートルというのは物理次元で知覚できる限界をいっているにすぎない。

・超ひも理論は不完全なモデル。とくに概念自身が振動であるという観点がたりない。ただし並行宇宙を定義する数学は正確で価値あるもの。

並行宇宙の数学はエヴェレットという物理学者によるものです。当時の物理学界はそれをトンデモとして拒絶しましたが、近年では多宇宙の可能性がまじめに議論されています。

・宇宙は情報がホロニックに配列されたもの。ひとつの点のなかに他のすべての情報が含まれる。

↑ライプニッツのモナドロジーを思わせる発言。

・他の次元の自分とつながることはある程度可能。そこからポジティブな影響を受けることができる。

 

バシャールペーパーバック第7巻~第8巻

第6巻も瞑想指導がおもな内容なのでスルー。第7巻と第8巻の印象的なポイントをまとめておきます。

なお7巻と8巻は2002年に行われた新しい対話です(6巻までは1980年代のセッション)。

・地球人と上位の存在とのコンタクトは、昔は基本的に夢の中で行われていた。しかしそれが徐々に物理次元で行われるように変化しはじめている。

・ニコラ・テスラはフリーエネルギーを発明していた。

・高い振動数の存在が低い振動数の存在に近づくと、後者の身体は大きなダメージをうける。宇宙船を大胆に着陸させられない理由のひとつがこれ。

・否定的な人間が1000人いるとして、そのバランスを正すにはたった10人が肯定的であれば足りる。

・自分が死んだことに気づかない人間がいる。このような存在は、身体から解き放たれたにもかかわらず、物質世界と変わらない低いエネルギーを維持している。彼らが幽霊と呼ばれる。

・他の次元に自分の片割れをもつ人間はたくさんいる。

・2037年以降はバシャールら異星人との物理的コンタクトが進行する可能性が高い。

・グレイは人間の遺伝子を使って新たな種をつくった。この混血種の未来がバシャールらエササニの人々。

・過去の人間が宇宙人と交流をもったとき、その宇宙人を神として崇めたことはあった。しかしどんなに進んだ存在でも宇宙人と神は違う。

宇宙人を神として崇めるのは偶像崇拝ということですね。ところで菩薩とか天使って少なくとも一部は宇宙人なのかしら?

・人間はネガティブな苦しみをほとんど体験しつくした。だから21世紀はなにかを学ぶために苦しい思いをする必要はない。

・すべての人間が自分自身のワクワクに従って行動するとき、すべての人間が創造の全体像にフィットする生き方をすることになる。よって混乱は発生しない。逆に創造の全体像から切り離された生き方をするとき、全体のバランスは崩れ葛藤が生じる。

・地球がスピリチュアルな進歩を達成するためには、全員がスピリチュアルな領域を意識する必要はない。人類の半分でも多すぎるし、4分の1も必要ない。そして地球はその分水嶺をすでにクリアしている。

上述の疑問への答えが最終巻で出てきました。「今より昔のほうが精神性にすぐれている人が多い印象なんだけど、本当に人類は霊的に進歩してるんかいな?」という疑問。

おそらく歴史に名を残すような知的エリートだけを見るとこういう疑問が出てくるんでしょう。哲学者とか科学者とかそういう人たち。そのレベルの人たちは過去のほうが精神的なレベルが高く、現在ではどうも微妙なことになっています。

しかし一般人のレベルでみると、おそらく過去の人類は粗野で残虐で非精神的な個人がわらわらしていたのでしょう。それが時代の進展とともに精神性を増し、ある時期(1848年か?それとも大戦後?)以降になるとスピリチュアルな関心のもとに生きている人の数が分水嶺を突破した…ということなのだろうと思います。

この「スピリチュアルな関心」というのは、かならずしも宗教への加入だとか、霊能やオカルトへの没入とかを意味するわけではないでしょう(それなら現代人より中世人のほうが霊性が高いことになってしまう)。大衆の精神性の向上がそういうわかりやすい形をとるとは限らない。

そして科学やテクノロジーが人類の精神性の向上を可能にしたという面は少なからずあると思う。ベルクソンがいうように、豊かな社会ほどスピリチュアリティは向上するから。そう考えると、高い視点から眺めれば、科学やテクノロジーもスピリチュアルな事業の一環としてあったと評価できるかもしれません。

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Posted by chaco