哲学の洋書おすすめ6選【英語で哲学を学ぶ】

2021年8月23日

「哲学の本を洋書で読んでみようかな」。そんな勇敢な読書家のあなたに、おすすめの哲学系洋書を紹介します。

哲学の洋書は精読のトレーニングに最適です。

また、日本語訳バージョンの質によっては、原書を読んだほうがスムーズに理解できることもあります。

以下、僕が読んだことのある哲学系の洋書(英語)から、おすすめを6冊紹介します。

バートランド・ラッセル『西洋哲学史』

まずはラッセルのHistory of Western Philosophyから。数多の学生を哲学の道へといざなってきた悪名高き(?)本です。

ラッセルはこの本でノーベル文学賞を受賞しています。ラッセルはものすごい美文を書くのですが、それは本書でも健在。エッセイのように読めます。

時代背景、哲学者の伝記、思想というパターンで記述が進みます。思想を要約的に解説した後で、言語哲学的なアプローチで批判が入るところも特徴。思わぬ視界が開け、理論の理解が進みます。

体系性、読みやすさ、文章の美しさ、すべてにおいて強力。哲学の洋書ではこれがいちばんのオススメです。

関連:【洋書】西洋哲学史の名著といえばラッセルのこの本【書評】

 

レイ・モンク『ウィトゲンシュタイン天才の責務』

ラッセルの弟子にウィトゲンシュタインという天才哲学者がいます。オーストリア生まれのドイツ人ですが、イギリスに渡りラッセルのもとで論理学と哲学を学びました。

20世紀を代表する哲学者で、その能力の高さのみならず、天才肌を具現化したような異常なパーソナリティで絶大な人気を誇ります。

レイ・モンクのWittgenstein Dutyは彼の伝記。その異常な生涯を追いながら、哲学の内容まで解説してくれる、強力な本です。

文章は読みやすいです。日本語版は手に入りにくいので、ウィトゲンシュタインに興味のある人はぜひとも本書を英語で読みましょう。

 

サンデル『これからの正義の話をしよう』

日本でもベストセラーになった有名な本。マイケル・サンデルのJustice What’s the Right Thing to Doです。

サンデルはすごい人で、コミュニタリアニズムのボス的な存在です。リベラリズムといえばロールズ、リバタリアニズムといえばノージック、そしてコミュニタリアニズムといえばサンデルです。

体裁はフランクですが、スラスラ読めるたぐいの本じゃないですね。具体例が豊富で、考える力そのものをアップさせる系の読み物といえます。

ちなみにYoutubeで実際の講義を見ることもできます。ハーバード大学の大教室で、サンデルが学生相手に講義をしています。

 

リチャード・ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』

20世紀アメリカのプラグマティズムを代表する哲学者、リチャード・ローティの重要著作です。

ローティの主著は『哲学と自然の鏡』ですが、あっちが純粋に哲学理論よりの内容だったのに対して、こっちは政治的な文脈を背景に書かれた本です。

文章は難しいです。アメリカの哲学者は基本的に文章が平易なのですが、ローティは例外ですね。ハイデガーやデリダへの憧れが影響しているのかもしれません。

ちなみにロールズやノージックは読みやすい英文で書かれているそうです。僕は読んだことないですが、たぶん日本語訳で読むよりもスムーズに読めると思います。

 

ウィリアム・ジェイムズ『宗教的経験の諸相』

プラグマティズムの祖にしてアメリカ哲学の大ボス、ウィリアム・ジェイムズの重要著作です。

宗教を内在的に理解しようとする名著で、ウィトゲンシュタインの愛読書でもあります。日本でも西田幾多郎や夏目漱石がジェイムズの影響を受けていますね。

制度や文化としての宗教ではなく、宗教体験そのものに興味のある人は必読の古典。

実は講演が元になっているのですが、それにしては文章が難しいです。これを耳から聞いただけで理解するのは絶対に無理ですね。

 

デイヴィッド・ヒューム『人間知性本性論』

18世紀の英国を代表する哲学者ヒュームの主著です。

ラッセルによると、ヒュームは知性的な哲学のデッドエンドです。ルソー以降の哲学が感性や想像力を重視するのは、知性重視の哲学がヒュームで行き着くところまで行き着いてしまったからとのこと。そのぐらい強烈な内容。

18世紀の哲学者の本にしては意外と読みやすくてびっくりします。あくまでも18世紀の哲学書にしてはですが。

日本語バージョンで手頃に入手できるものがないので、原書を読む価値は大きいです。

 

まとめ

以上、哲学系の洋書おすすめ6冊でした。

  • 1. バートランド・ラッセル『西洋哲学史』
  • 2. レイ・モンク『ウィトゲンシュタイン天才の責務』
  • 3. サンデル『これからの正義の話をしよう』
  • 4. リチャード・ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』
  • 5. ウィリアム・ジェイムズ『宗教的経験の諸相』
  • 6. デイヴィッド・ヒューム『人間知性本性論』

 

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