FF15はなぜ失敗したのか【たぶん理由はこの3つ】

2021年2月7日ゲーム

国民的RPGの双璧の一角にして、世界最大の和製RPGファイナルファンタジー。

現時点(2019年)でのシリーズ最新作がFF15です。

このFF15、国内ではパッとしない評価。

海外での評価を見てみると、メタスコアは81。FF12までメタスコア90以上を連発していたことを考えると、ものたりない印象です。

決してクソゲーではありません。しかし、FF13シリーズで失墜したタイトルブランドの復権という野望のもとで大々的に発売された作品にしては、残念すぎる出来だったとは思います。要するにFFに求められる水準に達していなかったのですね。

なぜ上手くいかなかったのでしょうか?主な理由は以下の3つだと考えられます。

①外伝をナンバリングに変更したから
②分作構想のソフトを一作に圧縮したから
③開発チームを変更したから

以下、それぞれの要素を解説していきます。

①外伝として構想したものをナンバリングにした

このFF15、最初はFF13の外伝として開発されていました。名前はFF13ヴェルサスといいます。

外伝として構想された異色の作品をナンバリングに変更した結果、万人受けには程遠い作風になってしまった。それが低評価の一要素としてあります。

 

FF13ヴェルサスのディレクター野村哲也は、外伝であることを前提とした異色の作品を構想していました。普通のFFじゃやっちゃいけないような禁じ手を連発したのです。

たとえばパーティが男キャラだけだったり、作中に現代日本が登場したりですね。

FF15をプレイしてなんじゃこれと面食らった人は少なくないと思いますが、あれは外伝として構想されていた頃の名残なのです。

 

スクエニの上層部は、何を思ったかこれをFF15として発売したのですね。ここにどういう思考回路が存在していたのかは謎です。

しかし当然ながら、ナンバリングにするには作風があまりに奇抜すぎた。仮に内容が神ゲーだったとしても、賛否分かれる作品として歴史に残ったはずです。

 

↑2011年のヴェルサス13のトレーラー。なお製品版FF15ではすべてのシーンが削除されている模様。その代わりキングダムハーツ3で再利用されたらしいです(スクエニ内部のゴタゴタが目に見える)

 

②分作を一作に圧縮した

FF15が期待に応える出来にならなかったもう一つの理由として、分作として構想されていたソフトを一作に詰め込んだ点を挙げることができます。

この結果、シナリオやイベントがスカスカになり、ユーザーの不満へとつながりました。

 

このFF15、当初のディレクター野村哲也は、連作での発売を構想していました。FF15、FF15-2みたいに続いて、FF15-3でようやくエンディングを迎えるみたいな感じですね。

なぜこんな構想にするかというと、現代の3Dグラフィックですと長いシナリオは語りきれないからです。

たとえばFF15のグラフィックにドラクエ5を落とし込んだと考えてみましょう。とても一作にはおさまらないですよね。サンタローズからレヌール城に行くだけでどえらい時間がかかりますよ。ビアンカと一緒にレヌール城の攻略するだけでも、おそろしく時間がかかるでしょう。原作はデフォルメされた2Dだからサッと終わりますけどね。エンディングにいくまでに数百時間、下手したら1000時間ぐらいかかるかも?

FF13ヴェルサスとして構想された元々のシナリオを具現化するためには、ソフトを分ける必要があったのです。

 

しかしスクエニは開発体制のシフトにともない、この分作構想を一作に圧縮しました。するとどうなるか?

等身大の3Dグラフィックに元の長大なストーリーを落とし込むのは不可能ですから、シナリオやイベントが大幅に削除ないし改変されて、スカスカの内容になってしまったというわけです。

 

なおシナリオはDLCという形で補完されていきますが、途中で打ち切りになり、最後まで終わらなかった模様。

FF15の世界を最後まで見届けるには、以下の小説を読む必要があります(内容自体の評判は非常に高い)。

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③開発チームが途中で変更された

FF15の開発にはもう一つ根源的な問題があって、それが開発チームを途中で変更したことなのです。

その結果、従来のデザインと新規デザインが衝突し、ちぐはぐで完成度の低い作品になってしまったと考えられます。

 

実はこのFF15、当初の予定ではキングダムハーツシリーズのスタッフが開発することになっていました。KHは野村哲也がディレクターを務める世界的な人気アクションRPGですが、要するにあれのFFバージョンを作ろうという話だったのでしょうね。それがFF13の外伝FF13ヴェルサスとして構想された。

しかし興味深いことに、FF15の開発体制は途中で変更されてしまいます。スタッフは入れ替わり、ディレクターの野村哲也もシナリオライターの野島一成もチームから外されます。

ここで何が起こったのかは謎です。なにかただならぬ事態が生じたことは確かでしょうが…

 

新規チームのもとFF15の開発は続くのですが、実は体制が変わってから発売までのあいだ、2年か3年ぐらいしかありません。

FF15は長々とした開発のイメージがありますが、実際にはかなりの突貫工事で発売されたことは想像に難くない。

FF15は細かい部分でも完成度の低さが目につきます。成長システムがいい加減だったり、サブクエストが適当だったり。これは突貫工事で完成を急いだことの弊害だと思われます。

 

またゲームデザインの衝突も、開発体制の変更から引き起こされたと考えられます。

FF15はオープンワールドを志向するマップデザインと、従来のパーティ制アクション戦闘が衝突し、結果としてどっちの要素もいまいちな出来になっています。

これは新旧の開発チームの構想の食い違いが形になって表れたものだと言えるでしょう。




800万本も売れたのに失敗なのか?

FF15は800万本も売れています。おそらく2019年時点ですと、売り上げはさらに伸びているでしょう。これだけ売れたのなら成功なのではないかと考える人もいるかもしれない。

しかしFFのポテンシャルを考えたら、実はこの数字は大したことないのです。

今は海外のゲーム市場が拡大していて、昔よりもソフトが売れます。たとえばかつて社会現象を起こしたドラクエ3は国内350万本ほどの売り上げでしたが、今ではスクエニの中堅RPGニーアオートマタでも世界400万本を売っています。あるいはカプコンのモンスターハンターシリーズですと、最新作のモンハンワールドは世界1400万本です。

一方で、FFは売り上げが伸びていません。FFは90年代の時点で世界1000万本以上を売り上げる、超弩級のモンスターでした。800万本では、当時よりも数字が落ちている。

もし健康体のFFが今の市場に存在していたら、1500万本は余裕、2000万本ぐらいは売れてもおかしくないでしょう。

 

復権の可能性はある

といっても800万本売れるのですから、ブランドが完全に潰えたわけではないですよね。

良作を2本続けて出せば、あるいは神ゲーを1本出せば、簡単に巻き返せる状況です。

FF7リメイクやFF16の展開を、かすかな期待を込めて、見守っていこうと思います。