なぜ憲法9条は日本に定着したのか 柄谷行人『憲法の無意識』【要約】
柄谷行人の『憲法の無意識』(岩波新書)を読みました。
憲法9条は外部から強制的に与えられた、だからこそそれは日本人の精神の深くに定着したのだ。
このような逆説的な事態を、フロイトの精神分析理論を援用して解説した ...
東浩紀の本を読みたいならまずはこれ【時代別おすすめ5冊】
思想やら哲学やらに縁がなくても、東浩紀のことは知ってるという人は多いと思います。「なんか面白いしこの人の本も読んでみたいな」と考えている方もいるのでは。
日本は文芸批評家が思想家の役割を果たしてきた伝統があります。小林秀雄 ...
ショーペンハウアーの読書論【多読をしてはいけない理由】
ショーペンハウアーの『読書について』を久々に再読。やっぱりこの人の文章はおもしろい。
『パレルガ・ウント・パラリポメナ』と呼ばれるエッセイのような作品から、読書に関連する文章を拾ってきた本です。
リンク→電子書 ...
老子の哲学をわかりやすく解説【3つの特徴に着目】
中国哲学史上でもっとも深遠な思想家といわれる老子。
森三樹三郎の『老子・荘子』などを参考にしつつ、彼の思想を以下の3つのポイントから解説してみようと思います。
・儒教をターゲットにした逆説的文章
・農村 ...
中国哲学の特徴をわかりやすく解説【3つのポイント】
中国哲学のベースにある特徴とは何か?
森三樹三郎の『中国思想史』(レグルス文庫)を参考にしつつ、3つのポイントに着目しつつ整理してみたいと思います。
中国哲学3つのポイント、それは以下の通り。
・天 ...
科学哲学の入門にはこれ『科学哲学の冒険』【要約】
戸田山和久の『科学哲学の冒険』を読了。
たしか発売直後に買って、それからずーっと積ん読だった本。
最近サイエンス系の啓蒙書を読んでいたので、この流れで崩してしまおうと思い読みました。
先生と学生ふた ...
東浩紀『新対話篇』哲学と芸術は社会の外部を確保できるか【書評】
東浩紀の『新対話篇』を読了。「今の日本で哲学や芸術になにができるのか」をテーマにした対談集です。対談の相手は総勢12人。
発売されたときから気になっていた本ですが、ようやく読みました。
リンク正直、思っていたほ ...
保守主義の先駆としてのヒューム 仲正昌樹『精神論抜きの保守主義』
エドモンド・バークに端を発する保守主義は、単なる精神論ではなく、伝統的に形成された制度(法・政治・経済のシステム)を論じる傾向があります。
この制度論としての保守主義に光を当てた解説書が、仲正昌樹の『精神論抜きの保守主義』 ...
フィヒテとシェリングをわかりやすく解説『カントからヘーゲルへ』【書評】
岩崎武雄の『カントからヘーゲルへ』を久々に読了。日本のカント研究界を支配した岩崎が、ドイツ観念論を語る本です。異常な切れ味は本書でも健在。
リンクフィヒテとシェリングの後期思想を解説している点が特徴ですね。普通は前期の思想 ...
カントの『判断力批判』をわかりやすく解説【純粋理性批判と実践理性批判の接続】
カントの三批判書といえば『純粋理性批判』、『実践理性批判』、そして『判断力批判』です。
『純粋理性批判』と『実践理性批判』はある程度どういう話をしているのかつかめても、『判断力批判』になると何をやっているのかさえよくわから ...