西洋哲学の祖はソクラテスかピタゴラスか
西洋哲学の祖といえば、ソクラテスの名が挙がるのがふつうです。ソクラテスに始まり、プラトンがそれを継承し、アリストテレスが広域化させたと。
一方で、ピタゴラスこそが西洋哲学の祖なのだという意見も実はあるのです。ピタゴラスは宗 ...
アメリカ哲学の源流ウィリアム・ジェイムズ『プラグマティズム』【書評】
アメリカ哲学の原点はどこか?
その一つはウィリアム・ジェイムズのプラグマティズムにあると言われています。実際、アメリカの思想家でジェイムズからまったく影響を受けていない人物はまずいないでしょう。
プラグマティズ ...
カント対ヘーゲル 岩崎武雄『カントからヘーゲルへ』
カント研究界を代表する碩学・岩崎武雄。
その岩崎が一般読者むけにドイツ観念論を解説した本がこの『カントからヘーゲルへ』です。
リンク取り上げられるのはカント、フィヒテ、シェリング、ヘーゲルの4名。ドイツ観念論に ...
病気と健康からニーチェを読み解く 清水真木『ニーチェ入門』【書評】
ニーチェほど体系的な解説を拒む思想家もめずらしいです。
ニーチェの著作は短い断章を書き連ねるアフォリズム形式を採用することで有名です。ある時はこう言ったかと思うと、またある時にはそれと矛盾したことを言い出す。
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ライプニッツのモナドロジー、岩波文庫か中公クラシックスどっちで読む?
千年にひとりの天才ともいわれるライプニッツ(たしか坂部恵の発言)。微分積分を発明した数学者としても有名です。
そしてライプニッツの哲学的アイデアを封じ込めた断片が『モナドロジー』と呼ばれる作品。
リンク2019 ...
デリダのなかのユダヤ人 井筒俊彦『意味の深みへ』【書評】
日本のみならず広く東洋哲学をも代表する巨人・井筒俊彦。
おもしろいことに井筒は終生、フランスの哲学者ジャック・デリダに関心を寄せていたといいます。
井筒のデリダ論を収録したのがこの『意味の深みへ』。2019年の ...
キリスト教とアリストテレス哲学の融合『トマス・アクィナス理性と神秘』【書評】
山本芳久の『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)を読みました。
非常に高い評価を得ている本で、新書という形態ながら2018年のサントリー学芸賞を受賞しています。
リンクトマス・アクィナスといえばヨーロッ ...
ハイデガー退屈論の再解釈 國分功一郎『暇と退屈の倫理学』【書評】
國分功一郎のベストセラー『暇と退屈の倫理学』。
人間は暇や退屈とどう向き合って生きるべきなのか?
これが本書のテーマです。
本書は「倫理学」ですから「~すべき」という主張が出てきます。これがたとえば「退屈 ...