論理哲学論考の「論理」はフレーゲの論理学
ウィトゲンシュタインの代表作といえば『論理哲学論考』。
降って湧いたかのような天才による降って湧いたかのような著作ですが、実は哲学史的な地盤のうえに位置づけることができます。この著作にも、それが書かれた文脈があるんですね。 ...
語りえぬものは2種類ある 永井均『ウィトゲンシュタイン入門』
ウィトゲンシュタインの入門書でもっともとっつきやすいのはどれか?
個人的には永井均の『ウィトゲンシュタイン入門』(ちくま新書)を挙げたいと思います。久々に読み返してみたらやっぱり面白い。
前期の『論理哲学論考』 ...
井筒俊彦とプロティノス『神秘哲学 ギリシアの部』
現代の東洋哲学を代表する天才といえば井筒俊彦。
そして彼のデビュー作が『神秘哲学』(岩波文庫)です。井筒といえばイスラム哲学の分野で有名ですが、彼が最初に取り上げたのは実はギリシア哲学でした。
ギリシア哲学のコ ...
カントの影響で存在と時間が結合 轟孝夫『ハイデガー「存在と時間」入門』
日本はなぜかハイデガー王国で、専門家による研究が盛んなだけでなく、一般向けの入門書や解説書も異様に充実しています。
そして2017年に新たに登場したこちらも良書。轟孝夫の『ハイデガー「存在と時間」入門』(講談社現代新書)で ...
カント『純粋理性批判』をわかりやすく解説【理性の正しい使い方】
すべての哲学はカントへと流れ込み、すべての哲学がカントから流れ出す。
こう言われるように、カントといえば哲学史を代表する人物のひとりです。
そしてカントの代表作といえば『純粋理性批判』。
以下、この ...
ヘーゲルの精神現象学を読むコツ【神の冒険物語】
西洋哲学でもっとも難解な哲学者といえばヘーゲルでしょう。ラッセルやアドルノをはじめとして、数々の天才や秀才たちも口をそろえてそう言っています。
僕も最初に精神現象学を読んだ時は序盤で挫折しました。なにしろ理解できる行がほと ...
西洋哲学史の名著といえばラッセルのこの本【ノーベル文学賞作品】
バートランド・ラッセルはおそらく二十世紀でいちばん頭のいい人間のひとり。世紀を代表する数学者であり哲学者でもあります。
そのラッセルが一般大衆向けに書いた哲学史がこのThe History of Western Philo ...
アリストテレスの形而上学をわかりやすく解説【プラトンとの違いはこれ】
アリストテレスの『形而上学』。全学問の祖アリストテレスの哲学的代表作とされる本です。
これはいったい何を主張した本なのでしょうか?実は、何をメインに主張しているのかいまいちよくわかってないというのが実情です。
...
シュヴェーグラー『西洋哲学史』がとんでもない名著だった件
西洋哲学史をテーマにした本はあれこれ出ていますが、そのなかでもとりわけ古く、長いことロングセラーになっている古典があります。
19世紀ドイツの哲学者シュヴェーグラーの『西洋哲学史』(岩波文庫)がそれ。
原書の発 ...
『中世の覚醒』アリストテレスから中世哲学へ
西ヨーロッパ史上最大の知的革命はなにか?
ニュートン物理学か、それともダーウィンの進化論か。
いやむしろアリストテレスの再発見がそれだ。こう述べるのは『中世の覚醒 アリストテレス再発見から知の革命へ』の著者、リ ...