当サイトはアフィリエイト広告を利用しております

経済の独学におすすめの本14冊【経済学から投資、会計、金融まで】

2024年12月4日まとめ記事

「経済の知識を身につけたい。どうやって勉強するのが効率的なんだろう?」

このような疑問を持つ人に向けて、おすすめの本を紹介します。

経済分野は一般読者向けの良質なテキストが揃っていますから、買う本さえ間違えなければ、独学で勉強をしていくことは難しくありません。

以下、経済学、金融、為替、会計、投資の順番で、僕が使ったことのある本のなかから特におすすめの14冊を紹介します。

教科書ならこれ『マンキュー経済学Iマクロ編』『マンキュー経済学IIミクロ編』

経済学そのものの入門にはこれがおすすめ。アメリカの経済学者グレゴリー・マンキューが書いた教科書。世界中の大学で使われている名著です。

いきなりこんな本格的なの読んで大丈夫かと思われるかもしれませんが、むしろこの本よりわかりやすい入門書はなかなか見当たりません。そして内容のクオリティは折り紙つき。しかもなぜか読み物として面白いという奇跡。

数式のたぐいはほぼ皆無なので安心です。図表は多いですがどれもわかりやすく、読者の理解を助けてくれます。どちらかというと図表をメインにして本文をその注釈として読んでいくのが経済学を理解するコツ。

マンキューの入門書はマクロ経済学、ミクロ経済学どっちも面白いです。両書の基本的な部分を合わせて一冊にした『入門経済学』も出ていますが、やる気のある人はマクロとミクロをそれぞれ読破したほうがいいと思います。

ミクロに関してはクルーグマンのほうが上という意見もあるようですが、まあどっちもマンキューで問題ないでしょう。

マンキューには『マクロ経済学』(入門編と応用編の上下)もありますが、こっちは中級者向けのテキストなので注意してください(といってもかなりわかりやすいですが)。

 

ロバート・ハイルブローナー『入門経済思想史 世俗の思想家たち』

世界中で読みつがれている経済学史の名著です。

過去の大物経済学者らの人生を物語り、それとともに理論をわかりやすく解説するという流れ。経済学者の伝記としても読めます。

主な登場人物は以下の通り。

アダム・スミス
マルサス
リカード
マルクス
ウェブレン
ケインズ
シュンペーター

他にも色々な経済学者が登場しますが、メインで扱われる大物はこの7人です。マルクスまでカバーできるのがいいですね。ウェブレンを扱っている点は個性的(そしてウェブレンの生涯こそもっとも面白い)。

固さはまったくなく、ユーモアが随所に飛び出してくるタイプの文章です。読み物として非常に面白い。経済学のジャンルでこういう本は珍しいのでありがたいですね。

経済学は過去の学説を細かく勉強する必要の薄いジャンルですが、一冊ぐらいはこういうのを読んで全体的な流れを知っておくと色々と捗ります。

なおもっと現代よりの経済学史が知りたいという人は、トーマス・カリアーの『ノーベル経済学賞で読む現代経済学』(ちくま学芸文庫)を読むといいでしょう。

関連:現代経済学の歴史『ノーベル経済学賞で読む現代経済学』【書評】

 

猪木武徳『戦後世界経済史』(中公新書)

経済学という学問の歴史ではなく、現実の経済の歴史を勉強するならこれがおすすめ。こちらも専門家からの評価が高い本です。

第二次世界大戦以降の世界経済の歴史を大きくつかめます。アメリカ、欧州、東アジアだけでなく、南米やアフリカまで扱っている。経済史を勉強しつつ、政治の知識までゲット可能。

この手の本ではヤーギン&スタニスローの『市場対国家』という名著がありますが、本書はその新書バージョンみたいな内容です。

 

野口悠紀雄『戦後日本経済史』

日本の経済を勉強するならこれがおすすめ。日本を世界経済の潮流のなかに置き、批判的な視点で解説していきます。

野口悠紀雄はものすごく打率の高い人で、バブル崩壊以降、だいたいこの人の言ったことが当たっています。すべての発言が的中する学者など存在しませんが、この人の言うことを基準にしておくとある程度高い打率が期待できます。

野口悠紀雄の言うことを軸に置いてそこから他の異なる意見も参考にしていく、というスタイルがいいんじゃないでしょうか。

ちなみに世界経済を取り扱った『世界経済入門』(講談社現代新書)もおすすめ。

 

中野剛志『奇跡の経済教室』

経済学は科学と呼ぶには現実からの乖離が大きめで、批判(自己批判含む)の多い学問なので、非主流派にも一応目を通しておくといいでしょう。

おすすめは中野剛志の『奇跡の経済教室』。主流派経済学を無慈悲に批判し、財政政策によるデフレ脱却を説きます。解説が怖ろしくわかりやすい。

MMT(現代貨幣理論)の考え方を自然に取り入れているので、本書を読んでいくと自然とMMTの考え方にも馴染めます。

なおMMTを詳しく扱った解説書が読みたいのなら、ステファニー・ケルトンの『財政赤字の神話 MMT入門』(ハヤカワ文庫)をおすすめします。ランダル・レイの『MMT現代貨幣理論入門』は難しいうえに長すぎるのでやめておいたほうがいいでしょう。

 

池尾和人『現代の金融入門』(ちくま新書)

金融の入門にはこれがおすすめ。専門家からの評価が非常に評価が高い本。

中央銀行や市中銀行が何をやっているのかがわかるようになります。金融政策の意味と限界も、本書を読めばわかります。

新書ながらレベルが高く、難解な箇所もちらほら。わからない箇所ば飛ばしてしまってオーケーです。ざっくりと理解するだけでも相当なレベルに行けます。

 

佐々木融『弱い日本の強い円』(日経プレミアシリーズ)

国際為替を理解したいのならこの本で決まり。

為替の変動要因を、長期・中期・短期の3つのスパンにわけて明快に解説してくれる良書です。

なぜ日本は衰退しているのに円が強いのかとか、なぜ国際的なリスクが高まったときに円が買われるのかとか、普段から疑問に思っている人は多いはず。

本書を読めばそのような疑問は氷解します。

 

会計入門にはこれ 國貞克則『財務3表一体理解法』(朝日新書)

会計の勉強に圧倒的おすすめの本がこれ。本書と『会計のことが面白いほどわかる本』をあわせて読むと、それだけで会計の基礎が完璧に身につきます。

バランスシート、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書を関連付けて読む方法が特徴。それをシステマティックに表示する図解がまた異常にわかりやすい。

普通に通読するだけで実践的な会計力が身につく構成。この本を読み終えた後に姉妹編の『財務3表一体分析法』に取り組むと、ここで得た知識やテクニックが深く定着します。

さらに会計の本が読みたいという人には『アンソニー会計学』というドリル形式のテキストがおすすめ。

 

石野雄一『ざっくりわかるファイナンス』(光文社新書)

企業ファイナンスの入門書にはこれが一番。ほんとうにざっくりわかります。

株主資本コスト、負債コスト、CAPM、WACCといったキー概念がわかりやすく解説されていきます。ファイナンスの全体像をつかむのに最適な本。

これを最初に読んでおくと、その後の勉強がスムーズになるでしょう。

またファイナンスは会計と関連の深い分野ですから、上記の『財務3表一体理解法』と合わせて読むことで相乗効果を期待できます。

ここからさらにもう一段上の本も読みたいという人には『道具としてのファイナンス』がおすすめ。

 

お金の常識入門にはこれ 両学長『お金の大学』

まったくの初心者がお金まわりの基礎知識をつけるにはこれがベスト。

経済的自由(資産所得>生活費の状態)を目指すプロセスを解説するなかで、社会保障、保険、税金、節税、投資、不動産などの基礎知識が総合的に身につきます。

著者はビジネス系Youtuberの頂点なだけあって、説明がすこぶるわかりやすいです。吹き出し、イラスト、図解などを多用してくれるおかげでとっつきやすい。

日本には金融教育がほぼ皆無なので、お金関連の常識が欠如している人は多くて当然。本書を読むと知識の欠損部分が埋まっていくでしょう。

 

インデックス投資ならこれ バートン・マルキール『ウォール街のランダム・ウォーカー』

両学長の『お金の大学』ではインデックス投資がおすすめされていました。

投資を始めるなら投資信託からスタートするのが常識。それもアクティブ投資ではなく、インデックス投資のファンドにお金を預けるのが初心者の王道です。

そしてインデックス投資のバイブルといえばバートン・マルキールの『ウォール街のランダム・ウォーカー』。

ファンダメンタル投資やチャート分析よりもインデックス投資がなぜ優れているのか、アクティブファンドよりもインデックスファンドのほうがなぜ期待できるのかを、異様な説得力で示します。

インデックス投資ではチャールズ・エリス『敗者のゲーム』も有名ですが、マルキールのほうがわかりやすいし読み物としても面白いのでまずはこっちを読んだほうがいいです。

 

足立武志『ファンダメンタル投資の教科書』

ファンダメンタル投資の1冊目にはこれがおすすめ。

会社の決算をチェックして基礎体力を分析し、中長期的に投資をしていくのがファンダメンタル投資。本書を読むとその基本がわかります。

会社四季報の使い方、決算短信と決算書の読み方、バリュエーション指標の解説など、これよりわかりやすい本はなかなかないと思う。

ちなみにファンダメンタル投資の王といえば世界最高の投資家ウォーレン・バフェット。本書で入門をはたしたら、次はバフェット関連の書籍へと進んでいくのがいいでしょう。

 

足立武志『株価チャートの教科書』

投資と聞いてチャートを思い浮かべる人は多いと思います。なんかグラフがあって、移動平均線だのトレンドだのを分析して、謎の専門用語が飛び交いまくっているみたいな。

チャート分析に興味がある人におすすめなのが足立武志『株価チャートの教科書』。

おそろしくわかりやすく、1冊目に読むのにぴったりです。専門用語も大量に吸収できる。

ここから入門してオリバー・ベレス&グレッグ・カプラの名著『デイトレード』に進むのがよいでしょう。

 

経済数学ならこれ 石川秀樹『経済学と数学がイッキにわかる』

経済学にはある程度の数学が必要になってきます。入門書としておすすめなのは石川秀樹『経済学と数学がイッキにわかる』です。

中学レベルから始まって微分、偏微分、数列、分散まで異様にわかりやすい。数学の知識がない人でも読めます。たとえば偏微分や分散に本書から入門するのもぜんぜんあり。

経済数学といえば『経済学で出る数学』がかなり有名。しかしあの本は数学の知識があることを前提としたような作りなので、入門者には使えないと思います(数学の思い出がまだ鮮明な大学生なら逆に読めるかも)。使うにしても2冊目以降にしたほうがよいでしょう。

 

動画なら「はじめよう経済学」

 

動画で学習するのもけっこう捗ります。Youtubeなら無料で解説してくれる動画があります。

おすすめは「はじめよう経済学」というチャンネル。たぶんこれよりわかりやすい経済学チャンネルはないと思う。

入門レベルの経済学教科書の範囲をだいたいカバーしてくれています。

 

以上、経済の独学に使えるおすすめ本の紹介でした。新しい名著に出会ったらそのつどアプデしていきます。

政治学のおすすめ本はこちら↓

社会学のおすすめ本はこちら↓