『聖書の読み方』なぜ聖書はあんなに読みにくいのか【書評】

2020年10月24日キリスト教

大貫隆の『聖書の読み方』(岩波新書)を読みました。

聖書がいかに読みづらい書物であるかを、これでもかと解説した本です。

そしてその事実を踏まえた上で、著者なりの聖書の読み方を読者にアドバイスしていく、という構成になっています。

 

なぜ聖書はあんなにも読みづらいのか?著者は学生の声を参考に、以下の点を挙げています。

・文書の配列が不自然だから

・古代人の世界観が現代人と相容れないから

・神の行動が不可解すぎるから

 

これらの事実を踏まえた上で、著者は以下のような読み方を提案していきます。

・キリスト教会の伝統から離れて読む

・目次を無視して文書ごとのかたまりで読む

・異質なものを尊重しその心を読む

・文書を書いた当事者の労苦と経験に思いを馳せながら読む

・真の経験は遅れてやってくるから、すぐにわかろうと焦らない

 

一読目で理解できないのはよくある

最後の「真の理解は遅れてやってくる」というのは自分にもよくわかります。

ぼくは宗教書が好きでよく読むんですね。しかし面白いことに、どれほど優れた書でも最初の読書で腑に落ちることはあまりないです。時間がたってから再読し、そこで初めて魅力に気づくことが多い。

たとえばラマナ・マハルシのTalksやエックハルト・トールのニューアース。どちらもぼくの超お気に入りですが、最初はよくわかりませんでした。

マハルシの本は難しすぎて理解できず、一読目は途中で投げ出しています。トールの本は評判のわりにそこまで奥深いものとは思えず、流し読みしただけでスルーしていました。

ところが数年たってからの再読でそのパワーに気づき、今では座右の書になっているという次第です。

たぶん聖書で同じ経験をする人も多いのだろうなと思います。

 

聖書の時代背景を知るのにおすすめの本は?

正直、本書自体もけっこう読みづらいと思います。

聖書を理解するにはその時代背景を知ることが必要だと説かれますが、本書だけではそうした知識は得られませんね。

聖書が書かれた時代背景を知りたい人におすすめの本は『聖書時代史』(岩波現代文庫)。旧約編と新約編の2冊が出ています。

 

ユダヤ人たちがどのような歴史状況のなかで聖書を書いたのかがわかる本。この本のあとで聖書を読むと、だいぶ見通しがよくなりますよ。

まずは旧約編から読むことをおすすめします。