『聖書時代史 旧約編』旧約聖書の背後にある本当の歴史【書評】

2020年11月29日キリスト教

旧約聖書に書かれているユダヤ人の歴史はどこまで本当なのか?

このような疑問に答えてくれる本がこの『聖書時代史 旧約編』(岩波現代文庫)です。

歴史学や考古学が明らかにした最新の発見をもとに、旧約聖書の背後にある真の歴史を明らかにする本。旧約聖書の副読本として最強の効果を発揮します。

この本、めちゃくちゃ面白かった。たぶん2019年に読んだ本のなかでトップ10には入ってくると思う。

旧約聖書を読んだことがないと楽しめないかも

最近なぜか聖書を読みすすめることにハマっているんですよね。だから本書を楽しめたのかもしれない。

聖書をまったく知らない人だと、パレスチナ地方の地味な歴史ぐらいにしか思えない可能性はあります。

旧約聖書を読んで「わけわからん」という思いをした後に読むからこそ、楽しめるのかもしれないですね。色々な謎が氷解して、点と点がつながっていく快感があります。

 

世界史の知識と宗教の知識が出会うカタルシス

『聖書時代史 旧約編』を楽しむには、世界史の知識もあったほうがいいかもしれないです。とくにアッシリア、ペルシア、マケドニア、ローマ帝国あたりの知識ですね。ユダヤ人を翻弄する大国たちです。

これら大国の歴史とユダヤ人ないし聖書って、頭の中でいまいち結びつかなくないですか?

たとえばユダヤ人がローマ帝国に支配されたとか、アレクサンドロス大王が広めたギリシア文化の影響下でユダヤ人たちが活動したとか聞くと、なんだか意外な気がする。

しかし本書を読むと、ユダヤの歴史が世界史にガッツリと組み込まれます。バラバラだった宗教史の知識と世界史の知識がドッキングする。ここにも非常な快感がありますね。

 

この本を読んだあとに旧約聖書を読むとスイスイ理解が進む

本書と並行してヨシュア記、士師記を読んでいました。

10年ぐらいいまえに初めて旧約聖書を読んだときは「わけのわからん地味な歴史(というか物語?)だな」としか感じませんでしたが、『聖書時代史 旧約編』で得た知識をベースにして読むと、驚くほどスムーズに内容を理解できます。これも快感。

旧約聖書がどうにも理解できんという人は、このように視点を変えて歴史学的な方向から攻めるのもありだと思いますよ。

これからも当分は聖書を読んでいくつもりです。次はサムエル記と列王記ですね。

 

聖書関係で読みたい本

聖書関係でいうと、以下の本も気になっています。

・『聖書時代史 新約編』(岩波現代文庫)
・『旧約聖書の誕生』(ちくま学芸文庫)
・『新約聖書の誕生』(講談社選書メチエ)
・『聖書入門』(講談社選書メチエ)

これら4冊もそのうち読む予定。とくに『旧約聖書の誕生』はぜひ読みたい。

そういえば、マックス・ウェーバーの『古代ユダヤ教』(岩波文庫)もありました。十数年前に勢いで買ってそのまま積んでおいたもの。あれを読み始める予想外の展開もあるかもしれません。