ドストエフスキーを英訳で読むならこのバージョンがおすすめ

2021年1月29日ドストエフスキー

4冊の洋書(ドストエフスキー)

ドストエフスキーを英訳で読み返す予定だと先日言いましたが、その英訳バージョンがこれ。

The Brothers Karamazov(カラマーゾフの兄弟)、Crime and Punishment(罪と罰)、Demon(悪霊)の3冊。

いずれもPevear & Volokhonsky夫妻による名訳です。Pevear氏はアメリカ人、Volokhonsky女史はロシア人。お互いに相手国の言語も操れるというすごい夫婦で、ドストエフスキーの英訳のうちもっとも読まれているバージョンのひとつがこの人たちの手によるものです。

 

訳文が平易なのが最大の長所。ドストエフスキーの英訳ではもっと安く手に入るバージョンもありますし、電子書籍では無料でも読めるのですが、訳文がかなり難解なのですね。

よっぽど英文の読解に自信があるのでないかぎり、Pevear & Volokhonsky訳で読むのが正解だと思います。分量を考えれば、値段はむしろ安いですよ。

 

またドストエフスキー本人の文体をなるべく訳文にも活かそうとしています。従来の定番訳ではヴィクトリア調の英文が採用されていて、トルストイもドストエフスキーもみんな19世紀英国文学みたいな感じになっていたんですね。

しかしPevear & Volokhonskyの訳ではそこが見直され、作家ごとの個性を訳文に反映させようとしています。

 

『カラマーゾフの兄弟』がコレ↓

 

『罪と罰』はコレ↓

 

『悪霊』はコレ↓

 

『白痴』はコレ↓

 

ちなみに写真の左上に写っているどでかい洋書は、ジョセフ・フランクという人が書いたドストエフスキーの評伝。きわめて評価の高い研究です。950ページぐらいあります。なにがヤバいかってこれでも抜粋バージョンだということ。

伝記的なエピソードだけでなく作品の批評も載っていて、これがかなり役に立つ。ドストエフスキー本人の著作を読み終えてから参照すると、知識が整理され、読みが圧倒的に深まります。

これもドストエフスキーと並行してちびちび再読していくつもり。

 

僕は1日あたり10ページぐらいのペースで読むので、上記の3冊を読み終えるには7~8ヶ月くらいはかかりますね。来年の洋書枠のひとつでは、ずーっとドストエフスキーを読んでることになりそう。

そしてその間に、山城むつみの『ドストエフスキー』やシェストフの『悲劇の哲学』といった名著も購入して読んでいくつもりです。