経済の独学におすすめの本はこれ【経済学から投資、会計、金融まで】

2021年9月27日

「経済の知識を身につけたい。どうやって勉強するのが効率的なんだろう?」

このような疑問を持つ人に向けて、おすすめの本を紹介します。

経済分野は一般読者向けの良質なテキストが揃っていますから、買う本さえ間違えなければ、独学で勉強をしていくことは難しくありません。

以下、僕が使ったことのある本のなかから特におすすめの10冊を紹介します。

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『マンキュー経済学Iマクロ編』『マンキュー経済学IIミクロ編』

経済学そのものの入門にはこれがおすすめ。アメリカの経済学者グレゴリー・マンキューが書いた教科書。世界中の大学で使われている名著です。

いきなりこんな本格的なの読んで大丈夫かと思われるかもしれませんが、むしろこの本よりわかりやすい入門書はなかなか見当たりません。そして内容のクオリティは折り紙つき。しかもなぜか読み物として面白いという奇跡。

数式のたぐいはほぼ皆無なので安心です。図表は多いですがどれもわかりやすく、読者の理解を助けてくれます。どちらかというと図表をメインにして本文をその注釈として読んでいくのが経済学を理解するコツ。

マンキューの入門書はマクロ経済学、ミクロ経済学どっちも面白いです。両書の基本的な部分を合わせて一冊にした『入門経済学』も出ていますが、やる気のある人はマクロとミクロをそれぞれ読破したほうがいいと思います。

ミクロに関してはクルーグマンのほうが上という意見もあるようですが、まあどっちもマンキューで問題ないでしょう。

マンキューには『マクロ経済学』(入門編と応用編の上下)もありますが、こっちは中級者向けのテキストなので注意してください(といってもかなりわかりやすいですが)。

 

ロバート・ハイルブローナー『入門経済思想史 世俗の思想家たち』

世界中で読みつがれている経済学史の名著です。

過去の大物経済学者らの人生を物語り、それとともに理論をわかりやすく解説するという流れ。経済学者の伝記としても読めます。

主な登場人物は以下の通り。

アダム・スミス
マルサス
リカード
マルクス
ウェブレン
ケインズ
シュンペーター

他にも色々な経済学者が登場しますが、メインで扱われる大物はこの7人です。マルクスまでカバーできるのがいいですね。ウェブレンを扱っている点は個性的(そしてウェブレンの生涯こそもっとも面白い)。

固さはまったくなく、ユーモアが随所に飛び出してくるタイプの文章です。読み物として非常に面白い。経済学のジャンルでこういう本は珍しいのでありがたいですね。

経済学は過去の学説を細かく勉強する必要の薄いジャンルですが、一冊ぐらいはこういうのを読んで全体的な流れを知っておくと色々と捗ります。

 

猪木武徳『戦後世界経済史』(中公新書)

経済学という学問の歴史ではなく、現実の経済の歴史を勉強するならこれがおすすめ。こちらも専門家からの評価が高い本です。

第二次世界大戦以降の世界経済の歴史を大きくつかめます。アメリカ、欧州、東アジアだけでなく、南米やアフリカまで扱っている。経済史を勉強しつつ、政治の知識までゲット可能。

この手の本ではヤーギン&スタニスローの『市場対国家』という名著がありますが、本書はその新書バージョンみたいな内容です。

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野口悠紀雄『戦後日本経済史』

日本の経済を勉強するならこれがおすすめ。日本を世界経済の潮流のなかに置き、批判的な視点で解説していきます。

野口悠紀雄はものすごく打率の高い人で、バブル崩壊以降、だいたいこの人の言ったことが当たっています。すべての発言が的中する学者など存在しませんが、この人の言うことを基準にしておくとある程度高い打率が期待できます。

野口悠紀雄の言うことを軸に置いてそこから他の異なる意見も参考にしていく、というスタイルがいいんじゃないでしょうか。

ちなみに世界経済を取り扱った『世界経済入門』(講談社現代新書)もおすすめ。

 

池尾和人『現代の金融入門』(ちくま新書)

金融の入門にはこれがおすすめ。これも専門家からの評価が非常に評価が高い本。

中央銀行や市中銀行が何をやっているのかがわかるようになります。金融政策の意味と限界も、本書を読めばわかります。

非常にレベルが高く、難解な箇所もちらほら。わからない箇所ば飛ばしてしまってオーケーです。ざっくりと理解するだけでも相当なレベルに行けますよ。

関連:ちくま新書ならこれを読んでおけ【おすすめ11冊】

 

佐々木融『弱い日本の強い円』(日経プレミアシリーズ)

国際為替を理解したいのならこの本で決まり。

為替の変動要因を、長期・中期・短期の3つのスパンにわけて明快に解説してくれる良書です。

なぜ日本は衰退しているのに円が強いのかとか、なぜ国際的なリスクが高まったときに円が買われるのかとか、普段から疑問に思っている人は多いはず。

本書を読めばそのような疑問は氷解します。

 

國貞克則『財務3表一体理解法』(朝日新書)

会計の勉強に圧倒的おすすめの本がこれ。本書と『会計のことが面白いほどわかる本』をあわせて読むと、それだけで会計の基礎が完璧に身につきます。

バランスシート、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書を関連付けて読む方法が特徴。それをシステマティックに表示する図解がまた最高です。

感動的なほどわかりやすく、実践的な会計力が身につきます。この本を読み終えた後に姉妹編の『財務3表一体分析法』に取り組むと、ここで得た知識やテクニックが深く定着します。

さらに会計の本が読みたいという人には『アンソニー会計学』というドリル形式のテキストがおすすめ。

 

『藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義』(光文社新書)

こちらは投資家目線での金融入門。為替市場、金融市場、国債市場、オプション市場などが、ていねいな講義調の文章で解説されています。

正直、世間の評判ほどわかりやすくはありません。ただそれは著者の説明が下手だからというわけではなく、この分野自体が難しいからですね(とくにオプション取引がやばい)。

しかし新書という形態でこれだけ厚みのある解説を読めるのは、お得としか言いようがありません。

 

石野雄一『ざっくりわかるファイナンス』(光文社新書)

企業ファイナンスの入門書にはこれが一番。ほんとうにざっくりわかります。

株主資本コスト、負債コスト、CAPM、WACCといったキー概念がわかりやすく解説されていきます。ファイナンスの全体像をつかむのに最適な本。

これを最初に読んでおくと、その後の勉強がスムーズになります。

またファイナンスは会計と関連の深い分野ですから、上記の『財務3表一体理解法』と合わせて読むことで相乗効果を期待できます。

ここからさらにもう一段上の本も読みたいという人には『道具としてのファイナンス』がおすすめ。

 

以上、経済の独学に使えるおすすめ本の紹介でした。新しい名著に出会ったらそのつどアプデしていきます。