ソフィストとソクラテスの違いとは何か?山川偉也『古代ギリシアの思想』【解説】
山川偉也の『古代ギリシアの思想』(講談社学術文庫)をようやく読みました。かれこれ10年くらいは積読されていたんじゃないだろうか?
バートランド・ラッセルのThe History of Western Philosophyを ...
ヘーゲルの精神現象学が難しすぎる件【入門におすすめの本はこれ】
西洋哲学の最難関といわれる哲学者が、19世紀ドイツのヘーゲルです。
実際彼のテクストは常軌を逸しており、その難解さはたとえばハイデガーなどとは比べ物になりません。
僕はヘーゲルの『精神現象学』をまともに通読でき ...
西洋哲学の祖はソクラテスかそれともピタゴラスか?
西洋哲学の祖といえば、ソクラテスの名が挙がるのがふつうです。ソクラテスに始まり、プラトンがそれを継承し、アリストテレスが広域化させたと。
一方で、ピタゴラスこそが西洋哲学の祖なのだという意見も実はあります。ピタゴラスは宗教 ...
統合失調症は人間らしさの行き過ぎ『天才と分裂病の進化論』【書評】
太古の地上、一部の人類の脳内で生じた脂質の生化学的変化が、人間(ホモサピエンス)を誕生させた。
人間を人間たらしめたこの遺伝子的変異は、精神分裂病(以下、統合失調症)の生みの親でもあった。
いわば統合失調症者と ...
ユーモアのある作家といえば誰?【笑える本をおすすめします】
ユーモアを駆使できる作家って貴重ですよね。
知的で、上品で、ちょっと皮肉があって、読者をクスッと(場合によってはゲラゲラと)笑わせる才能。
このようなユーモアセンスを備えた作家といえば誰がいるのでしょうか?
なぜ日本に拝金主義がはびこるのか【思想の欠如】
現代日本に蔓延する拝金主義。これは思想の代替物といえます。思想を哲学や信仰といいかえてもいい。
思想の機能は、世界をシンプルに捉えることにあります。思想が欠如すると、人間は世界のカオスに翻弄されることになる。
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カント対ヘーゲル 岩崎武雄『カントからヘーゲルへ』
カント研究界を代表する碩学・岩崎武雄。
その岩崎が一般読者むけにドイツ観念論を解説した本がこの『カントからヘーゲルへ』です。
リンク取り上げられるのはカント、フィヒテ、シェリング、ヘーゲルの4名。ドイツ観念論に ...
ニーチェ哲学をわかりやすく解説【超人から永遠回帰まで】
ニーチェほど体系的な解説を拒む思想家もめずらしいですよね。
ニーチェの著作は短い断章を書き連ねるアフォリズム形式を採用することで有名です。ある時はこう言ったかと思うと、またある時にはそれと矛盾したことを言い出す。
ライプニッツのモナドロジー、岩波文庫か中公クラシックスどっちで読む?
千年にひとりの天才ともいわれるライプニッツ(たしか坂部恵の発言)。微分積分を発明した数学者としても有名です。
そしてライプニッツの哲学的アイデアを封じ込めた断片が『モナドロジー』と呼ばれる作品。
リンク2019 ...
デリダのなかのユダヤ人 井筒俊彦『意味の深みへ』【書評】
日本のみならず広く東洋哲学をも代表する巨人・井筒俊彦。
おもしろいことに井筒は終生、フランスの哲学者ジャック・デリダに関心を寄せていたといいます。
井筒のデリダ論を収録したのがこの『意味の深みへ』。2019年の ...