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FF14が暁月のフィナーレでRPG史に残る神ゲーになった件【感想】

2023年11月22日ゲーム

2010年にリリースされるも出来が悪すぎて作り直しとなり、2013年に新生FF14として復活したFF14。

そこから2年毎にストーリーを拡張し、蒼天のイシュガルド、紅蓮のリベレーター、漆黒のヴィランズと作を重ねるごとに評価を高めてきました。

WoWの凋落もあったとはいえ、漆黒では世界のMMOでナンバーワンの地位をつかむにいたります。

そして2021年に発売された暁月のフィナーレ。新生から始まった「ハイデリンとゾディアークを軸にする物語」の最終章。

 

正直そこまで期待してませんでした。

漆黒が「シリーズ最高傑作」とか「和製RPGの最高峰」とかいわれてましたからね。そのハードルを超えるのは無理だろうと。

まあ、そこそこの良ゲーで綺麗にフィニッシュしてくれればいいなみたいな。

 

で、実際にプレイしてみたんですが…。

思ってもない名作でびっくりしましたよ。これでFF14が20年後、30年後まで残ることは間違いないと思う。

漆黒はその舞台設定が独特だったこともあり、番外編みたいなトーンがあったと思うんですよね。だからいくら漆黒の評価が高くても、FF14が人気というより、漆黒が人気みたいなとこがなくもなかった。

しかし暁月は、その漆黒をも含めた新生からの大風呂敷を見事に畳んでみせたため、FF14全体が神ゲーへと昇華された感があると思います。

 

客観的にも高評価を獲得している模様。メタスコアは92。ユーザースコアに至っては95(PS4版は97)を記録しています。

売れすぎたせいでサーバーがパンクし、一時販売停止の処置をとる異例の事態に発展。評価が低すぎて販売停止した旧FF14でしたが、新生FF14は暁月にいたり、評価が高すぎて販売停止するまでになったようです。

ちなみに暁月はトレーラーもスクエニ史上最高傑作クラスなので必見。トーレラーもこの記事の続きもネタバレがあるので、未プレイの人は気をつけてください。

ストーリーと演出が史上最高クラス

ではこのFF14暁月のフィナーレ、なにがそんなに名作なのか?

一言でいえばストーリーがいいんですよね。

もちろん他にも長所はあります。世界観がぶっ飛んでるとか、マップがバリエーションに富んでいて綺麗だとか、音楽が良すぎるとか、新ジョブの運用とレベル上げが楽しいだとか、オンライン共闘でのボス撃破に達成感があるとか、やり込み要素が多いとか、FFシリーズの要素がそこかしこに散りばめられていて感動するとか。

しかし特に飛び抜けた要素はやはりストーリーなんですよね。

それもちょっとやそっとの出来じゃないんですよ。たとえばドラクエ5とかクロノトリガーとかFF7とか、そういう思い出補正にまみれた歴代のレジェンドらにも引けを取らないレベルにいます。

20年前のFF10がいまだに人気で、リマスターが売れ続けたり、新規の実況動画が次々に登場したりしているように、おそらくFF14もレジェンド化するでしょう。

 

ではそのストーリー、どんな感じなのか?

まず全体的に少年漫画っぽいノリがベースにある点が特徴ですね。熱くて王道。少年ジャンプ的な波動があります。FFシリーズでいうとFF4あたりが似たようなノリでしょうか。

さらに伏線の回収が神がかっていて、ユーザーの度肝を抜きます。このへんはFF7っぽい感じでしょうか。

そしてイベントの演出では全力でユーザーを泣かせにくる。ここはあらゆるRPGのなかでFF10とFF14が双璧といっても過言じゃないかも。

 

実際、まさか暁月まできてウリエンジェとムーンブリダのエピソードに泣かされることになるとは思ってませんでしたよ。漆黒のサンクレッドやグラハティアでもそうでしたが、過去作の活かしかたが尋常じゃなく上手いですよね。

新生をプレイしていたころのユーザーのうちいったい誰が、サンクレッドやグラハティアやウリエンジェに泣かされることになると予期していたでしょうか(絶対に一人もいない)。

 

ハイデリンの「聞いて、感じて、考えて」にしても、新生のころはなんとも詩情に欠ける台詞だなぐらいにしか思えなかったんですが、暁月の某戦闘でこの台詞が再現されるとき、ユーザーは全身に鳥肌不可避。

マザークリスタルの活かし方も秀逸すぎて鳥肌。取ってつけたようなクリスタル詐欺ではなく、物語の中核にクリスタルを埋め込みえたFFは何気にめずらしい。

 

ゼノスを肯定的に描いたのもびっくりしました。

ゼノスといえば、光の戦士との闘いに敗北することで人生が愉しくなってしまった戦闘狂。主人公と再戦するためならどんな手段でもいとわない極悪人です。

FF14という繊細な世界のなかで、ゼノスだけがドラゴンボールしている。どんなに主人公や仲間たちが落ち込む展開があっても、ゼノスだけは「俺は自分が失ったものを奪い返しにいくぞ…今頃お前も牙を研いでいるのだろう…?」とか言ってる。

どんなに宇宙が絶望していても、ゼノスだけは主人公との再戦を待ちわびてワクワクしちゃってるわけです。

これが暁月において新たな意味合いを帯びます。暁月は善と悪の戦いではなく、存在を肯定するものと無を望むものの戦いなんですよね。

じゃあ暁月においてゼノスはどっちに属するか?

存在を肯定する者として、光の戦士と同じサイドに属すのです。だからラストバトルは、無を望むがわの最強のラスボスに対して、存在を肯定するがわの最強のふたり(主人公とゼノス)がタッグを組むという構図になっているわけです。

そしてラストバトルの後、すべての絶望を超えた先で、ふたりは殴り合う。あのイベントバトルはつまり、存在を肯定するふたりが(善と悪の違いはあれど)生命を謳歌している図と捉えるのが適切でしょう。

 

ラスボスが「こちらの心情をそのまま反射する存在」なのも印象的でした。

ラスボスが「無に帰ろう」とか言って、主人公らが「させるかよ」みたいになるパターンはよくあるし、FFの伝統様式でもあるのですが、FF14の場合はこのラスボスの性質のために、もっとエモーショナルなトーンが追加されているんですよね。

「自分が絶望したらラスボスを絶望させてしまう」という構図になっていて、それがすごく秀逸だと思いましたね。

 

続編のストーリーが名作を台無しにしていくパターンなら星の数ほどあります。

しかしFF14はそれとは逆の稀有なパターンですよね。追加エピソードによって初期の作品に新たな光が当たり、物語はより強力になっていく。

ストーリー面では評判のよくない新生ですら、暁月まで踏破した今もう一度プレイしたら、かなり味わい深いものになると思います。

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FF14は暁月でいったんの区切りを迎えた後、これからも続いていくそう。しかし7.0が出るまえに、暁月までのストーリーをまとめたオフラインバージョンとか出してもいいんじゃないですかね。そしてそのクリアデータをFF14の7.0に引き継げるようにするとか。オフラインユーザーがこの神作を味わえないのはあまりにもったいない。

 

スクエニよ吉田Pと石川夏子をFF17に起用してくれ

漆黒と暁月の脚本を手掛けたのは石川夏子というスタッフだそう。

この人、全盛期の野島一成(FF7,FF8,FF10,クライシスコアの脚本家)に匹敵するかもしれませんね。

かつてFFは野島氏をヘッドハンティングしてくることで巨大化に成功しました。

その後は微妙なシナリオを連発することで評判が地に落ちていたのですが、ここにきてついに野島氏の後継者が生まれたのかなと。

石川は暁月を最後にFF14からは離れるそうです。他のプロジェクトを担当するためでしょう。そのプロジェクトとはなんなのか?

おそらくFF17ではないでしょうか(そしてFF16はFF14蒼天のイシュガルドの脚本家が書いてるという噂)。

この感じでいくと吉田プロデューサーが一生忙しくて大丈夫かなという気にもなりますが、14チーム出身者たちのこれからに期待せざるをえないです。

なお新生~漆黒についての感想はこっち。