2018年に読んだ洋書トップ10【ペーパーバック&マスマーケット】
もう2019年も2月ですが(今年は例年に増して時間の流れが早い気がする)、いまさらながら2018年に読んだ洋書のトップ10をまとめようと思います。
2018年に読んだ洋書は25冊でした。ジャンルは小説がほとんど。とくに子ども向けやヤングアダルト向けのファンタジー作品が多かったですね。
以前は社会科学やビジネス系の本も洋書で読んでいたのですが、英文をたくさん読むという結果を求める場合は学術系の本よりも小説の方が時間あたりのパフォーマンスが良いと気づき、それからは小説を中心に読んでいます。
それではトップ10を紹介します。
- 1. 10位 ジョン・グリシャム The Firm
- 2. 9位 ダニエル・スティール Accident
- 3. 8位 アガサ・クリスティ Murder on the Orient Express
- 4. 7位 スタインベック The Grapes of Wrath
- 5. 6位 ルイーズ・ヘイ You Can Heal Your Life
- 6. 5位 マイケル・クライトン Jurassic Park
- 7. 4位 ジョナサン・ストラウド The Ring of Solomon
- 8. 3位 The Golem’s Eye
- 9. 2位 Ptolemy’s Gate
- 10. 1位 フィリパ・ピアス Tom’s Midnight Garden
10位 ジョン・グリシャム The Firm
アメリカの売れっ子作家ジョン・グリシャムのデビュー作にして代表作。
グリシャムは法律系の小説を得意としていて、本作も法律事務所を舞台にした話になっています。 法律事務所と聞くといかにも地味なイメージですが、内容は派手です。
大学を卒業した主人公がとある法律事務所に入社するも、そこは違法取引を行い、社員を完全監視する異常な企業だったことが判明。しかも企業の異常さに気づいて脱出しようとこころみる社員は、残らず抹殺されます。 脱出をこころみる主人公一家とそれを阻止せんとする法律事務所。そこに捜査を進めるFBIが加わることで三つ巴が展開されるという筋書きです。
9位 ダニエル・スティール Accident
こちらも現代アメリカの売れっ子作家、ダニエル・スティールの作品。
主人公は一家の母親です。幸福だった家庭にある日突然アクシデントが発生。娘が交通事故に遭遇し、意識不明の重体に陥ってしまいます。その直後に夫の不倫が判明し、夫婦関係は破綻状態に。意識不明の娘の看病を続ける母に、次々と試練が襲いかかります。
プロットはごく普通なのですが、個々の場面描写がとても美しいのです。感動的な小説です。
8位 アガサ・クリスティ Murder on the Orient Express
ミステリの女王アガサ・クリスティの代表作。探偵ポアロが主人公となるシリーズのひとつです。
ポアロが乗りこんだ列車で殺人事件が発生。事件は完全密室の客室で起こっており、ポアロはその解決に乗り出します。
乗車客の一人ひとりに訊問していく中盤は中だるみしますが、終盤ではあっと驚く伝説の展開が待ち構えています(僕はこのトリックを予想していました)。
7位 スタインベック The Grapes of Wrath
アメリカ文学を代表する古典『怒りの葡萄』です。スタインベックはこの作品でノーベル文学賞を受賞しました。
いつか読もうと前から思っていた小説。思いきって原書で挑戦してみました。簡単ではありませんが、どうにも難しくて物語についていけないというほどではなかったです。登場人物がなまりまくった俗語でしゃべるのが難所。
土地を差し押さえられてしまった貧乏な大家族が、仕事を求めて西へ西へとトラックで旅をします。家族愛や隣人愛がテーマの作品です。
6位 ルイーズ・ヘイ You Can Heal Your Life
ルイーズ・ヘイによる伝説的なセルフアファーメーション本。なぜか日本では意外と知られていませんが、海外では何百万部と売れている有名な作品です。
スピリチュアルないし精神医学に近い内容で、自己肯定を育むための方法が紹介されます。
数々の苦難を乗り越えてきた著者のことばには説得力があり、ふわふわした内容のスピリチュアル本とは一線を画します。心の安定を求めるひとは必読。
5位 マイケル・クライトン Jurassic Park
スティーブン・スピルバーグによって映画化もされた作品。映画を観たことのある人は多いのではないでしょうか?
実は原作があって、作者のマイケル・クライトンは一流の人気SF作家です。 僕も子どもの頃に映画を観ました。
なにか面白いペーパーバックはないかなと模索している時にあの作品を思い出し、そうだジュラシックパークの原作を原書で読んでみようと決意。映画にも負けないおもしろさがありましたね。
文章の読みやすさもグッド。マイケル・クライントンの他作品も原書で読んでみたいと思わせるほどの文章でした。
4位 ジョナサン・ストラウド The Ring of Solomon
イギリスの児童作家ジョナサン・ストラウドの作品。バーティミアス物語の外伝です。
バーティミアス物語は第2のハリーポッターとも呼ばれ、世界中にファンがいます。 実は第4位から第2位までぜんぶバーティミアス物語。評判につられて読んでみましたが、このシリーズは当たりでしたね。
3位 The Golem’s Eye
バーティミアス物語の第2巻。第1巻が期待外れだったので惰性で読み始めたのですが、読むのをやめないでよかったです。第2の主人公キティが本格的に登場し、物語はここからおもしろくなっていきます。
ハリーポッターは後半失速するきらいがありますが、このバーティミアス物語は後半に向かうにつれて面白さが加速していきます。
2位 Ptolemy’s Gate
バーティミアス物語の第3巻。本編の最終巻にあたります。
第2巻をさらに上回る面白さ。ラストは涙を禁じえないでしょう。ここにいたって完全にハリーポッターと肩を並べるほどの印象を読者にあたえます。
バーティミアス物語、全4巻。ファンタジーが好きな人は必読!
1位 フィリパ・ピアス Tom’s Midnight Garden
イギリスの児童作家フィリパ・ピアスによる古典的名作。実は昨年、邦訳の『トムは真夜中の庭で』を読んでいました。そこで感動し、「いつか原書も読んでみよう」と心に決めたのでした。僕はよくこのパターンで原書を買います。
ディケンズの『クリスマスキャロル』やバーネットの『小公女』でもそうでしたが、やはり原書で読むと感動の次元がちがいます。
大人が読んでこその超名作。児童小説が好きなら必読中の必読です。