和文英訳よりも自由英作文をこなすべし【中上級者向けの勉強法】
短文の英作文ならそこそこできる。長文エッセイが従うべき文章構造も理解できた。
じゃあ次に、どうやって自由自在に長い英文を書けるようになるのか?
青谷正妥の名著『英語学習論 スピーキングと総合力』によると、英語を書く能力は和文英訳ではなく課題英作文で伸びていくといいます。
課題英作文とはいわゆる自由英作文のことで、与えられたトピック(例えば「あなたの将来の夢はなんですか」など)についてある程度まとまった量の英語を書くことですね。
なぜそう言い切れるのか?
これは第二言語習得論において「転移適切性処理」と呼ばれる現象が関わってきます。
簡単にいえば、技術や情報を記憶したときの環境と、その記憶を使うときの環境を一致させるのが重要ということ。記憶したときの環境に近い状況ほど、その記憶した技術や情報を取り出すのが簡単になるという原理です。
英作文においても、この原理を意識することが重要です。要するに、実際に英語を書く状況に近づけて学習するわけですね。
実際に英語を使う状況といえば、ある程度の長さの自由英作文になりますよね。ビジネスで英語を書くにしても、英検やTOEFLで英文エッエイを書くにしても、それはテーマに沿った課題英作文になります。
この状況に対応できる能力をつけるためには、英文ライティング学習の中心を課題英作文にする必要があります。
言われてみれば当たり前な感じもしますが、実際にこれを実行できている人はそんなにいないんです。
逆にいうと、和文英訳の修行をいくらやっても、自由自在に長い英文を書けるようにはならないということですね。
和文英訳のエキスパートなのに、実践となると全然それらしい文章が書けない。こういう現象はけっこうあると思いますが、その原因はここにあります。
これは僕も身に覚えがありますよ。和文英訳の勉強で伸びる力はあくまでも和文英訳のスキルであり、長い英文を自由自在に書きこなす英文ライティングの力ではないんですよね。
だからある程度しっかりした短文を書けるようになったら、次は課題英作文をやりまくるのがいいです。与えられたトピックについて、英語を書きまくるのです。
オンラインでネイティブに添削してもらおう
ここで問題なのが、添削をどうするかという点。書きまくった英文はできれば添削してもらいたいんですよね。
そうでないと効率的に力が伸びていかないですし、最悪の場合は間違った英語が身についてしまう危険性があります(この厄介な現象を化石化と呼びます)。
そうはいっても、英文を添削してくれるネイティブや英語達人が身近にいる人は稀でしょう。
どうすればいいのか?
一つの解決策として、オンラインでの英作文添削サービスを利用するという手があります。現代ではネット上でネイティブの添削を受けれるのです。
たとえばフルーツフルイングリッシュの提供しているサービスが有名ですね。
プロの講師やネイティブによる高品質の添削をネット上で受けることが可能です。最初の2回は無料で添削してもらえるので、気軽に試してみることもできます。
課題英作文を書く→オンラインでプロかネイティブに添削してもらう→返ってきた添削済みの文章を音読もしくは写経する
このサイクルを繰り返すことが英文ライティング上達の最短コースになります。
長めの英文を自由自在に書けるようになりたいという段階に達したら、この学習方法を取り入れることがおすすめです。