経済翻訳で上達したいならこの本『金融英語の基礎と応用』【レビュー】

2021年3月7日

経済や金融の翻訳トレーニングにぴったりの本があります。

『金融英語の基礎と応用 すぐに役立つ表現・文例1300』です。著者の鈴木立哉はマクロ経済や金融の実務翻訳者。

英語の勉強になるのはもちろんですが、それ以上に日本語の勉強になります。ここがポイント。どういうことかというと、経済や金融の分野で使われる独特の言い回しが学べるのです。

たとえば次の英文をみてみましょう。

We expect more strength.

 

ふつうに訳せば「われわれはさらなる力強さを予想している」みたいな感じになりますよね。

しかし本書ではmore strengthを次のように訳しています。

「われわれは今後さらに強含むと予想している」

 

強含むという言い回しは、経済や金融に慣れ親しんだ人でないと出てこないですよね。

このように、なんということもない英語表現でも、金融分野ではその分野独特の言い回しで訳さなくてはならないケースが多いのです。

本書ではそれが学べます。まさに翻訳のトレーニングにぴったりなテキストだといえるでしょう。

 

1300の短文を収録

本書の内容ですが、ぜんぶで1300の英文が掲載されています。だいたい2行か3行の短文ですね。そして英文の下に和訳を記載してあるという構成。

英文と和訳を対照させて読むことで、金融翻訳の勉強になります。

文章は専門的な媒体から引用されたものが多く、実践的です。読者はファンドの運用報告書や投資レポート、財務諸表、決算書類、経済学の論文、市場アナリストのレポートなどから抜粋された英文を読むことになります。

ページ数は263ページ。巻末には索引もついています。

また巻末の推薦図書がきわめて有益。金融翻訳の勉強に役立つ本や、仕事のときに備えておくべき本などを25冊ほどオススメしています。

 

著者が推奨している翻訳トレーニングとは

巻末では、翻訳トレーニングの方法にもさらっと触れられています。それが「原文と訳文の書き写しまたは音読」というもの。

使用するテキストはミルトン・フリードマンの『資本主義と自由』やガルブレイスの『大恐慌1929』など。訳者はいずれも村井章子ですね。

原書と翻訳書を両方とも用意し、原文と訳文を照らし合わせながら書き写していく。

 

僕は本書の教えにしたがって、フリードマンの『資本主義と自由』でこのトレーニングをしました。たまたま原書と訳書の両方をもっていましたから。

名人のテクニックを体得できるので、オススメの勉強方法です。

 

初心者は柴田真一『金融英語入門』から

『金融英語の基礎と応用』は中級者向けのテキストだと思います。すでにマクロ経済や金融の仕組みをある程度理解している人が、英語と日本語のボキャブラリーを増強させるために読む本ですね。

経済や金融の仕組みもあまりよくわかってないという人は、本書のまえにまず入門書を読んだほうがいいでしょう。

オススメは柴田真一の『金融英語入門』。金融の基本的な仕組みを学びながら、金融英語の基礎を勉強できます。

巻末の参考図書も充実していて、初学者に超オススメ。

 

その他のおすすめ翻訳本についてはこの記事にまとめています。

参考にしてみてください。

 

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Posted by chaco