XJAPANのTearsの歌詞を和訳してみた【死者への鎮魂歌】

2021年1月26日音楽

XJAPANにTearsという名曲があります。

1993年に発売されたバラード。元々は1992年の紅白歌合戦のテーマ曲として作曲されたものですが、ギタリストHideの要望に応えてYoshikiがバンド向けにアレンジ、まったく異なる歌詞で発売されました。

僕がこの曲を初めて聞いたのは小学生のときで、そのとき以来「へーいい曲だなー」と単純に思っていました。

そして最近、この曲の真の意味を知ってさらに瞠目させられました。

この曲はYoshikiが亡くなった父への思いを歌にしたものらしいんですね。Yoshikiは子供の頃に父親を自死という形で亡くしています。

それを知ってから改めて曲を聞くと、まったく違った相貌のもとにこのバラードが立ち現れてきます。歌詞に注目すると、これは死者に向けたレクイエムなのだなと気づくのです。

以下、英語の部分も日本語訳(思いっきり意訳)にして歌詞を引用してみます。

どこに行けばいいあなたと離れて
今は過ぎ去った時に問いかけて

長すぎた夜に旅立ちを夢見た
異国の空見つめて孤独を抱きしめた

流れる涙を時代の風に重ねて
終わらないあなたの吐息を感じて

Dry your tears with love(涙を拭いてこの愛で)
Dry your tears with love(涙を拭いてこの愛で)

Lonliness, your silent wisper fills a river of tears through the night(一人ぼっちの夜、あなたの声無きささやきを聞いた気がして、涙の川が溢れだす)
Memory, you never let me cry, and you, you never said goodbye(思い出すね、あなたは僕に泣くなと言った、そしてあなたは、あなたは決して僕にさよならを言わなかった)

Somttimes the tears blinded our love(涙が僕たちの愛を曇らせたこともあった)
We lost the dreams along the way(道の途中、夢を見失ったこともある)
But I never thought you trade your soul to the fates(でも僕は信じなかった、あなたが運命に魂を明け渡してしまうなんて)
Never thought you leave me alone(決して信じなかった、あなたが僕を置き去りにするなんて)

Time through the rain has set me free(雨が通り過ぎて、僕は自由になった)
Sands of time will keep your memory(時が流れても、あなたの想い出は消えないよ)
Love everlasting fades away(永遠の愛は色あせてゆくけれど)
Alive within your beatless heart(鼓動を止めたあなたの心にも、命は宿り続けてる)

Dry your tears with love(涙を拭いてこの愛で)
Dry your tears with love(涙を拭いてこの愛で)

流れる涙を時代の風に重ねて
終わらない悲しみを青い薔薇に変えて

Dry your tears with love(涙を拭いてこの愛で)
Dry your tears with love(涙を拭いてこの愛で)

流れる涙を時代の風に重ねて
終わらないあなたの吐息を感じて

Dry your tears with love(涙を拭いてこの愛で)
Dry your tears with love(涙を拭いてこの愛で)

背景を知ってから聞くと、死者に向けて語りかけていることがわかります。

たとえばサビのDry your tears with love(涙を拭いてこの愛で)にしても、これは死者への語りかけなんですね。悲しみを抱いたままの死者がイメージされ、その死者の魂を癒そうとしているのだと思います。

また「終わらないあなたの吐息を感じて」という歌詞も印象がまったく変わります。背景を知らないと、なんかそばにいる誰かの吐息を聞いてるのかなぐらいの印象になると思うんです。しかし作詞の背景を知れば、まったく違った意味が読み取れますね。これはむしろ死者の吐息を、つまり永遠の命を表しているのです。

「異国の空見つめて」も、単に遠い国のことを言ってるわけじゃないんだと気づきます。これは天国のことなんですね。そして「旅立ちを夢見た」というのは、自分も死んで同じ場所にいきたいという気持ちを表したものであるとわかります。

「流れる涙を時代の風に重ねて」の部分も意味深くて、自分の苦悩を自分だけのものにせず、同じ境遇の人たちと分かち合いたいという意志が見て取れます。

英語歌詞の部分はさらにダイレクトで、パーソナルな内容になっていますね。聞き手に強烈な印象を与えます。この曲が好きなひと全員に、ぜひとも英語歌詞の内容も理解してもらいたいですね。

こんなにすごい曲だったんだなと改めて衝撃を受けました。この曲を必要としている人が、きっとたくさんいますね。

雑記音楽

Posted by chaco