『英作文基本300選』瞬間英作文のテキストとしても優秀【レビュー】
飯田康夫の『英作文基本300選』(駿台文庫)を終えました。
言わずとしれた大学受験生用の定番テキスト。「英作文は英借文」をモットーに、文法ごとに300個の英文を並べ、学生に暗記を求める参考書です。
なぜ受験生でもない僕がこの参考書を読んだかというと、瞬間英作文のテキストとして使うためです。
瞬間英作文は森沢洋介が提唱した学習法で、英語のアウトプット回路を育てることを目標にしています。その肝は、(自分にとって)かんたんに理解できる易しい英文を、瞬間的に組み立てまくること。
易しい英語をアウトプットしまくることで、これまでインプット学習で蓄積されてきた英語の知識が「使える英語」に化けるのです。
森沢は中学生用のテキストを使用することをすすめていますが、そのレベルの本がなかなか売っていないこともあり、僕は高校生用の『英作文基本300選』を使いました。
といっても、中学レベルにあたる「瞬間英作文」シリーズ第1巻と第2巻(『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』と『スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニンング』)は数年前にこなしています。だからそのレベルはすでに卒業済みです。
『英作文基本300選』の使い方
瞬間英作文のテキストとしての『英作文基本300選』の使い方を説明します。
まずは全体を6つにわけます。
全部で300の英文が掲載されているわけですが、これを50個ずつの英文からなるパートに分解するのですね。
これは後から復習をしやすくするための秘策です。
次に最初の英文から順番に瞬間英作文をしていきます。左ページの日本語を読み、2秒か3秒で英文を組み立てる。
で、右ページの英文を見て答え合わせ。間違ったところには線を引きます。
それから英文を5回音読(暗記しようとしない)。
1セットにつき1ページ、つまり5つの文章をこなしていきます。
僕は1日2セット、つまり10の文章を英作文していきました。このペースだと5日で50の文章つまり最初に区分けした1パートが終わります。
1つのパート(50の文章)が終わったら、すぐに次のパートに進むのではなく、そのパートを最初から復習します。これが全体の300文を6つのパートにわける意味です。
すでに学習し終えた文章ばかりですから、復習はすぐに終わります。1日で1パート(50の文章)を終えるのはたやすいでしょう。
このように、1つのパートを終えるのに復習まで込みで6日かかります。日曜日はなにもしない日として、1週間で1つのパートが終わる計算ですね。
全体を6つのパートに分けましたから、テキスト全体を学習するのには6週間かかる計算です。
高校レベルの文法をマスターしている人にとっては、『英作文基本300選』は瞬間英作文のテキストとして役に立つと思います。
同シリーズには700選もありますが、量が多すぎるのはどうでしょうね。かなりの確率で挫折しそうなので、僕としては300選をおすすめします。
300でも多すぎるという人には、竹岡広信の『ドラゴン・イングリッシュ』をオススメします。
これは要求される英文は100個だけ。これでも効果はあるでしょう。
次は長文テキストの瞬間英作文へ
短文の瞬間英作文はだいたいこなせたので、次は長文にチャレンジしようと思っています。
ここで問題になるのが、どのテキストを使うかなんですよね。
高校生用の英語長文参考書だと、ちょっとレベルが高すぎるような気がする。負荷が強すぎて、瞬間的には英作文ができないんじゃないかと思うんですね。難しすぎるとやってて苦痛だし、すぐに挫折しそう。
ということで、中学生用の英語長文テキストを使います。
Z会が出版する速読英単語シリーズの中学版です。
このシリーズは「長文のなかで英単語を暗記する」というコンセプトからなる素晴らしいテキストなのですが、これが瞬間英作文用のテキストとしても使えます。
中学レベルの長文テキストを求めている人にはこれがオススメ。教科書ガイドとかよりもずっと入手しやすいですよ。