英語学習本はこれを読んでおけ【おすすめの名著7冊】
英語学習をテーマにした本は山ほど出ています。
僕は英語の勉強そのものだけでなく、英語学習本を読むのも好きですから、書店に行くとついつい色々とチェックしてしまうんですね。
そして実際に色々な英語勉強本を読んできました。
けれども、本当に超おすすめと言えるほどの名著はそんなにたくさんあるわけじゃありませんね。
どれを読めばいいのか?
以下、僕が読んだことのある英語学習本から、これは必読といえる7冊を紹介します。
森沢洋介『英語上達完全マップ』
瞬間英作文シリーズをヒットさせたことで有名な森沢洋介の英語学習本です。王道中の王道ともいえる内容。
初心者からTOEIC900点レベルまで、これに従っておけばオーケー。
著者の経験に加えて、過去の語学達人の勉強法もアレンジして取り入れていますから、信頼性が高いです。この人だけが主張しているヘンテコな方法、みたいなのはありませんので心配無用。
大まかな内容は次のとおり。
・英語習得の戦略を立てる
・音読
・瞬間英作文
・文法
・精読
・多読
・語彙増強
・リスニング
・英会話
・トレーニングを継続させるコツ
以上のような章立てで、それぞれの勉強法を具体的に教えてくれます。
とても体系的で、あらゆる分野をカバーしています。初級からTOEIC900点レベルまで、このテキストが教える勉強法に従っておけばまず問題ないでしょう。
これを中学生とか高校生のうちに読めた人はそうとうラッキーだと思いますね。回り道することなく、最短ルートで上達していけます。
土屋雅稔『中上級者がぶつかる壁を破る英語学習最強プログラム』
TOEIC800点~900点ぐらいのレベルになると、上達のスピードが衰えてきます。そこで壁にぶつかる人が多いんですよね。僕もそうでした。
本書はそのような中上級者をターゲットにした英語学習本。初心者向けの本がほとんどのなか、こうしたテキストは貴重ですね。
本書でとくに強調されるのは、ボキャビルの大切さです。ボキャビルとは語彙増強、つまり英単語をどんどん覚えていくということをいいます。ここがこの本の肝。
僕は本書の教えにしたがってボキャビルを増強し、壁を突破した経験があります。
英単語の暗記というと、初心者がやるものみたいなイメージありませんか?僕はそう思っていたんですよね。マニアックな英単語は文脈から意味を推測すればいいだろうみたいな。
しかしそれだと、伸びしろが少なくなってしまう。中上級者が壁を突破するには、実は語彙力の増強が欠かせないのです。本書を読むとそこが納得できます。
実力の伸びが実感できなくなってきた中上級者におすすめのテキストです。
関連:伸び悩む英語中上級者におすすめの本『英語学習最強プログラム』
廣森友人『英語学習のメカニズム 第二言語習得研究にもとづく効果的な勉強法』
外国語を身につける効果的な方法はなんなのか?
この問いに答えるための科学的研究を、第二言語習得(SLA)研究といいます。
この分野の動向を追っておくと、科学的な学習方法で英語(やその他の外国語)を勉強していけます。
第二言語習得論の入門書は色々あるんですが、おすすめは廣森友人『英語学習のメカニズム』(大修館書店)ですね。これが一番バランスがいいです。
まず学習者目線で解説してくれるのがグッド。この分野はいかにもアカデミックな学術論文みたいな趣のテキストが多くて、読みやすいのは貴重なんです。
インプットの仕方、アウトプットの仕方、動機づけなど、わかりやすく解説してくれます。
各章ごとに文献案内がついていて、これがまた最高。次にどの本を読めばいいのかわかります。ここからスタートしてさらに掘り進めていくのに最適です。
門田修平『外国語を話せるようになるしくみ シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム』
次は門田修平の『外国語を話せるようになるしくみ』(サイエンス・アイ新書)。シャドーイングを科学的に解説した新書です。
よくシャドーイングは最強の外国語学習法だと言われますが、本書はそれを実証的に裏付けていきます。
ところどころにイラストが挿入してあって、読みやすくするための工夫が伝わり好印象。とはいえわりとアカデミックで堅い趣なので、読み通すのはちょっと根気がいります。
後半で科学的に正しいシャドーイングのやり方が解説されているので、シャドーイングをやる人はぜひとも参考にすべき。
姉妹編で音読バージョンも出ています。『音読で外国語が話せるようになる科学』(サイエンス・アイ新書)ですね。
両方を読み比べてみると、実はシャドーイングのほうが手軽な学習方法であることがわかります。したがってまずはシャドーイングの方をおすすめします。
僕はこの2冊を読んで以降、音読を止めてシャドーイング主体の学習に切り替えました。
古川昭夫『英語多読法 やさしい本で始めれば使える英語は必ず身につく』
次も新書。古川昭夫の『英語多読法』(小学館101新書)です。
語学の達人はかならずといっていいほど多読をすすめてきますが、本書を読むとその正しいやりかたがわかります。多読の技法を指南するテキストですね。
けっこう衝撃的な内容となっています。次の式を見てください。
英語力の伸び=(読書の量)×(理解度の4乗)
理解度が0から1で表されることに注意してください。完璧に理解していたら1、まったく理解できていなかったら0です。
実際には0から1までの小数が入るわけですよね。そしてそれが4乗されます。小数が4乗されると、想像以上に小さな数になってしまいます。
つまり、理解度がちょっと落ちるだけで、多読による英語力の伸びは圧倒的に下がるのです。
よく「多読は易しい洋書を読め」と言われますが、本書を読むとそれが納得できますよ。
僕はよく英米文学の古典とかを背伸びして読むことがあったのですが、本書を読んでから、なるべくそういうことはしないようにしようと決めました。
本田直之『レバレッジ英語勉強法』
これは一風変わった内容の英語学習本。いかに手を抜くかが書かれています。
といっても怠けろとかいい加減にやれとかいう内容ではなく、ごく狭い範囲だけに集中し、それ以外はなるべくスルーしろという教えです。
要するに、「現場で英語を使う」という実践的な観点から書かれた本なんですね。
自分はなんのために英語を習得するのか?英語は何を達成するためのツールなのか?
そのゴールをはっきりさせた上で、その目標地点到達のために必要な能力をあぶり出す。そうしたら後はそこにエネルギーを集中投下し、それ以外のことは無視する。
これが本書のコアにあるメッセージです。日本の英語学習者に欠落しがちな、重要な視点が書かれていると思いますね。
僕はこの本の影響で、雰囲気英語学習みたいなのはやめようと決意しました。
「自分は別に語学マスターを目指しているわけでなく、ビジネスや旅行などで英語を使いたいだけだ」。こういう人におすすめ。必読といってもいいでしょう。
國弘正雄『英語の話しかた』
これは『レバレッジ英語勉強法』とは真逆の立ち位置にある読み物。英語を極めんとする求道者の背中を押してくれる本です。
著者は通訳の神様として知られる國弘正雄。世界レベルの英語マスターです。ちょっとやそっと英語ができる人とは次元の違う、まさに超人。
本書のコアは音読のすすめです。
英語の習得にあたって、繰り返し何度も何度もテキストを音読することがいかに重要か。それが具体的な方法とともに説かれています。
いまや語学学習における音読の重要性は常識ですが、日本でそれを広めたのはこの國弘正雄でしょう。
また本書は、一流のモチベーターとしても機能してくれます。
この本を読むと、気合が入ります。超一流の人間の熱気に煽られて、モチベーションがアップする感じ。やる気のなくなったときに読むと効果抜群。
英語道の頂点を目指そうとする人におすすめの、伝説の名著です。
まとめ
以上、おすすめの英語学習本を7冊だけ紹介しました。
・森沢洋介『英語上達完全マップ』
・土屋雅稔『中上級者がぶつかる壁を破る英語学習最強プログラム』
・廣森友人『英語学習のメカニズム』
・門田修平『外国語を話せるようになるしくみ』
・古川昭夫『英語多読法』
・本田直之『レバレッジ英語勉強法』
・國弘正雄『英語の話しかた』
良質な英語勉強本を探している人は、まずこのあたりから読んでみるといいでしょう。