結末を読む書評『名作うしろ読みプレミアム』【書評】

斎藤美奈子による一風変わった書評集がこの『名作うしろ読みプレミアム』。

物語のラストの文章を紹介するという企画です。古今東西の名作を集め、ひたすら末文を紹介。

一流の作家たちがどうのように作品の幕を閉じたのかが吟味されていきます。

ネタバレに関してどうなのかと思うところですが、著者いわく「名作は末文がバレたぐらいじゃその魅力を失わない」とのこと。

ネタバレが嫌な人は、まあ読まないほうがいいかもしれません。

あらすじの要約が上手すぎる

この本で勉強になったのが著者の要約術。あらすじの要約が上手すぎ。

見開き2ページでそれぞれの本が紹介されるのですが、決まった構成があるんですね。

まず本の内容を要約し、次に末文に着目、最後に著者の主観的なコメントを添えるというスタイルになっています。

最初にくる要約がすごい。どうしたらこんな見事に本の内容を要約できるのかと思いますよ。

 

文章力をつけるためには小説のあらすじを要約して書いてみるのがいいとよく言われます。

しかし実際にやってみると、これがすこぶる難しい。

理論書ならわりと簡単に要約はできるのですが、物語を要約するのはものすごく大変なのです。

 

本書ではそのワザを何度も何度も見せてくれます。何気にライティングの勉強になる本ですね。

こんなふうに要約ができたら小説の書評を書くのも楽しいだろうなと思った次第。

 

斎藤美奈子という文芸批評家が好きかと言われたら、なんともいえないです。

しかしその技術から学ぶものはありますね。

 

これは続編、前編は中公文庫にある

この『名作うしろ読みプレミアム』、実は図書館のリユースコーナーに置いてあった本なんですね。

なんの気なしに「面白そうかも」と思って拾ったもの。思わぬ掘り出し物でした。

 

本書はシリーズの続編もので、前編は『名作うしろ読み』というタイトルです。こっちはは中公文庫から出ている模様。

『名作うしろ読み』のほうもそのうち読むかも。

 

あと書評集といえば丸谷才一の『快楽としての読書 海外文学編』ですね。あれも読もう読もうと以前から思っている本です。

文学の本

Posted by chaco