読みたい洋書が見つからない時の解決策【好きな本を英訳で読む】
洋書を多読していると、だんだんネタが尽きてきます。
読みたいと思える本はだいたい読んでしまって、次に読むべきコレといったものが見つからないというような。
こういう時期はほぼ確実におとずれると思います。
どうするか?
ひとつの解決策として、好きな本の英訳または原書を読むという手があります。英語圏以外の国で書かれた作品の、英訳を探すわけですね。
たとえば夏目漱石や村上春樹が好きなら、彼らの日本語が英訳されたものを探す。あるいはドストエフスキーやトルストイが好きなら、彼らのロシア語が英訳されたものを探す。
新しい本を見つけるのではなく、すでに読んだことのある本、それも自分の大好きな本を英語で読むのです。
メリットは2つあります。
・スイスイ読める
・作品への理解が深まる
背景知識があるからスイスイ読める
好きな作品を、英語訳で読む。メリットの一つ目は、読むのがかんたんになるということです。
すでに内容を知っていると、文章が外国語で書かれていてもスイスイ読めます。
外国語のリスニングで、知っている分野だと意外に聞き取れると言われますよね。リーディングでも同じ原理がはたらきます。
背景知識を豊富にもっている状態だと、読解の難易度が一気に下がるのです。
読んだことのある本をもう一度読むとなると、いわば背景知識がとんでもなくある状態でのスタートとなりますから、外国語に訳されていてもスイスイいけるわけです。
たとえば僕はディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』やオースティンの『高慢と偏見』を、日本語で読んだ直後に原書で読みました。
どちらも非常に難しい文章ですから、いきなり原書に突撃したら心折られていたはずです。しかし、先に日本語で読んでおくと、わりと簡単に読めるんですね。
したがってこれは、実は初心者にもオススメの方法なんです。
異なる言語で二度読みすると作品への理解が深まる
好きな本を英訳でもう一度読む。メリットの二つ目は、作品への理解が格段に深まることです。
同じ本を何度も読んでも、なんとなく時間やエネルギーの無駄と感じる人はいるかもしれません。
これは逆です。優れた作品は読み返すほどに楽しさが増し、新しい発見があるものなのです。
しかもこの場合は英語で作品を読み返すわけですからね。オリジナルと違う言語で読むと、作品に別の角度から光が当たり、思わぬ発見をすることが少なくありません。
極端な例を挙げると『源氏物語』とか。あれは日本の古典ですが、英訳で読むと印象が変わるどころの話ではないですよ。
日本文学が苦手でも、英語なら意外と読めたりする。そして意外と面白かったりする。
また原書が英語の場合、真にその作品を味わうことができます。邦訳された英語圏の本に好きなものがあれば、それの原書を読むことを強くおすすめします。
僕の場合でしたらディケンズやオースティンはそうやって読みましたね。あとバーネットとか。
『クリスマス・キャロル』や『小公女』は原書で読んだほうが間違いなく感動できます。
ここは別意見の人もたまにいるのですが、僕は原書で読んだほうが面白いし感動できる派です。
まとめ
読みたい洋書が見つからない時期が訪れたら、自分の好きな本の原書や英訳バージョンを読んでみることをおすすめします。
そのメリットは2つ。
・スイスイ読める
・作品への理解が深まる
この方法を知っておくと、新規の洋書を探して右往左往する時間を減らせます。