『多読術』千夜千冊はいかにして可能か【書評】

2020年3月1日

とにかく本をたくさん読むという人は、少なからず存在します。数百、数千どころではなく、数万冊の蔵書をもつような。

なかでも有名なのは、松岡正剛でしょうか。「千夜千冊」というウェブサイトもよく知られていますね。

その松岡正剛が多読術について語った本がこの『多読術』(ちくまプリマー新書)。インタビュー形式です。

 

読みやすいかというと、そうでもない。とくに後半は自身の編集工学の思想が多めに語られていて、ついていくのは大変。

またハウツー本として読むには構成があいまいとしすぎている感もあります。

 

本書の根本メッセージをひとつに絞るとしたら、本と本のネットワークを意識せよというものでしょうか。

本と本を類推でつなぎ、頭の中の図書館を拡張していくようなイメージです。

まあでもこれは、多読の術とは違いますよね。

どうやって読みたい本を大量に見つけていくか、という観点からすると有益ですが。

読書のテクニックを学ぶのが目的なら、佐藤優の『読書の技法』のほうが役に立つと思います。

読書で読書休憩をする

著者が語る技術のうち、もっとも印象に残ったのは、読書で読書の休憩をするというもの。

たとえば理論的な本を読んで疲れてきたら、軽めの小説を読むとかですね。

読書とは違う行動に移るのではなく、別種の読書で読書の休憩をしてしまおうという発想です。

 

実際、これをしている読書家はたまにいるんですよね。僕にはまずできませんが。

これができると年間に読める本の冊数が爆発的に伸びるでしょうね。

 

これとは違いますが、僕なりに工夫している方法はあります。それが、読書のあいまにYouTubeの動画を見るというもの。

といっても娯楽動画を見るのではなく、教養系の動画です。これなら難易度が低い。

またできれば英語の動画を英語の字幕つきで見るのがいいですね。こうすると英語のリスニングとリーディングをかねつつ、有意義に休憩できます。

ほかにもオーディオブックという選択肢もありますね。

 

ただ最近の研究によると、なにもせずボーッとする時間が脳にとってきわめて重要とのこと。あまりにこんをつめると逆効果になりますので、要注意ですね。