【洋書】『宝島』ミステリアスな導入が最高【書評】

2020年3月1日

日本でも子ども向けのバージョンをよく目にする、スティーヴンソンのThe Treasure Island(邦題は『宝島』)。

今回これをいきなり原書で読んでみました。完全に初見です。

まず思ったのは、文章がむずいということ。そうとう難解。子供向けと思って侮ると痛い目に遭います。

たとえば前回読んでいたバーネットの小公子に比べると、10倍くらいは読みづらい印象。

残念ながら、多読向けのテキストにはなりそうもありません。

 

もうひとつ思ったのは、思ったより入り込んだ作風だなということ。

もっと子どもっぽい単純な作風かと思っていたんですね。宝島を目指してウワーみたいな。

それで今まで読まなかったというのはあります。

しかし実際に読んでみると、ぜんぜん違う。まず導入部からして、非常にミステリアスでダークな雰囲気が立ち込めています。これが素晴らしいです。たいへんワクワクする。

ちなみに僕は冒頭のページを50回ほど音読し、暗唱してしまいました。

中盤以降は、まあ普通でしょうか。序盤だけでも読む価値がありますね。

 

それから、キャラが濃いのもいいですね。イメージに反して主人公以外はみな大人なのですが、この大人たちのキャラが立ってる。これも大きな長所です。

『宝島』の著者スティーヴンソンは、あの『ジキル博士とハイド氏』の作者でもあります。

本作に登場するシルヴァーの二面性などは、それを予告するものがあるかもしれません。