【洋書】『宝島』ミステリアスな導入が最高【書評】
日本でも子ども向けのバージョンをよく目にする、スティーヴンソンのThe Treasure Island(邦題は『宝島』)。
今回これをいきなり原書で読んでみました。完全に初見です。
まず思ったのは、文章がむずいということ。そうとう難解。子供向けと思って侮ると痛い目に遭います。
たとえば前回読んでいたバーネットの小公子に比べると、10倍くらいは読みづらい印象。
残念ながら、多読向けのテキストにはなりそうもありません。
もうひとつ思ったのは、思ったより入り込んだ作風だなということ。
もっと子どもっぽい単純な作風かと思っていたんですね。宝島を目指してウワーみたいな。
それで今まで読まなかったというのはあります。
しかし実際に読んでみると、ぜんぜん違う。まず導入部からして、非常にミステリアスでダークな雰囲気が立ち込めています。これが素晴らしいです。たいへんワクワクする。
ちなみに僕は冒頭のページを50回ほど音読し、暗唱してしまいました。
中盤以降は、まあ普通でしょうか。序盤だけでも読む価値がありますね。
それから、キャラが濃いのもいいですね。イメージに反して主人公以外はみな大人なのですが、この大人たちのキャラが立ってる。これも大きな長所です。
『宝島』の著者スティーヴンソンは、あの『ジキル博士とハイド氏』の作者でもあります。
本作に登場するシルヴァーの二面性などは、それを予告するものがあるかもしれません。