英語の長文が書けるようになる本『即戦力がつく英文ライティング』
ビジネスマン向けの英語テキストで良書を連発する日向清人。
彼の英文ライティング本がこの『即戦力がつく英文ライティング』(DHC)です。
個人的に著者の「即戦力」シリーズのなかで最高のものがこれだと思ってます。
日向清人は本書の後半(p164)で次のように言っています。
英文ライティングをこなすためには単語や文法知識といったミクロの知識に加えて、どういう文章を書こうとしているかに応じての全体の構想、展開の手順といったマクロのスキルが必要になります。
英文ライティングの本というと、だいたいが表現集です。たしかに、決まりきった表現をたくさん知っていると、書くときに楽ではあります。しかし、単語力と文法知識があれば話せるようになるという迷信と同様、ライティングも単語と文法だけでは駄目で、ここで説明するマクロのスキルをも身につける必要があります。(日向清人『即戦力がつく英文ライティング』)
英文ライティングを勉強している人ほど、「それだよそれ」と全力でうなずくのではないでしょうか。
ほんとに、長文の英文を書くための指南書って少ないんですよね。
どうやって書いたらいいのか、どういうトレーニングをすれば効果的なのか、だれも具体的には教えてくれない。途方に暮れる学習者が多いと思います。
このような状況にあって、この『即戦力がつく英文ライティング』は貴重な例外のひとつです。
英語長文の型をたくさん教えてくれる本
『即戦力がつく英文ライティング』、全体の構成は以下の通り。
第一部 センテンスをととのえる
・センテンスとして通用する条件を満たす
・英語らしいセンテンスを書く14のカンドコロ
・センテンスどうしをつなげる
・センテンスどうしの論理関係を示す第二部 パラグラフをととのえる
・パラグラフは文章の基本単位
・パラグラフは日本語の「段落」とは違う
・パラグラフはTEELで書く
・パラグラフどうしをつなぐ第三部 長めの量のあるテキストをととのえる
・目的別の展開パターンに応じて書く
・4大類型はEDNAと覚える
ご覧のとおり、短い文章からはじまって、徐々に長い文章を書く構成になっています。
センテンスを書く→センテンスをつなげる→パラグラフを構成する→パラグラフをつなげる→長文を構成する、という流れですね。
とくに貴重なのが第三部。長めの文章をどうやって書いたらいいのかを教えてくれるパートです。これを扱ったテキストがなかなか存在しないんですよね。
英語長文の型を教えてくれるところがポイント。それも一つだけでなく、文章の目的に応じた複数の型を教授してくれます。
TEEで書けとかRECAPで書けとか、色々な情報が出てきて一読しただけでは混乱しますが、これを体得すれば英語長文の構成は楽になるでしょうね。
僕はまだ一読しただけですので、楽に長文を書くことなどできないのですが。
本書の前に『英作文ハイパートレーニング』を
日向清人の『即戦力がつく英文ライティング』はビジネスパーソン向けのテキストということもあり、かなりレベルが高いです。
「もう少し簡単なテキストはないの」という方には、大矢復の『英作文ハイパートレーニング自由英作文編』(桐原書店)をオススメします。
大学受験生用のテキストですが、レベルは高いです。単なる表現集ではなく、マクロの知識を教えてくれる、希少な英文ライティングテキストの一つ。
これをこなすと、基礎レベルの英文ライティング力が身につきますよ。『即戦力がつく英文ライティング』へのつなぎにもなります。
他の英作文おすすめ参考書についてはこの記事↑も参考にしてみてください。