『日英語表現辞典』上級者向けの英単語ニュアンス指南【書評】

2021年1月29日

最所フミの『日英語表現辞典』(ちくま学芸文庫)を読みました。

2004年に文庫化されるも長らく絶版。その後2018年にツイッターで話題になり、その勢いのまま緊急復刊されたというめずらしい本です。

 

簡単にいえば英単語のニュアンスを解説する本。前半が英和、後半が和英になっています。英和のほうがおもしろい。

辞典と銘打っているものの、エッセイ風の英語読み物としても読めますね。解説が非常に奥深く、さまざまな発見があります。

 

たとえばWilling(259~260ページ)。著者によると、「Wiilingという言葉が持っている本質的な気分はpassiveなもので、積極的な意図は少しも含んでいない」。したがって、この単語は「してもかまわない」ぐらいの意味を表すといいます。

あるいはexploit(78ページ)。この単語は「英語の動詞のなかで使い方の最も難しい動詞の部類に入る。英語国民のなかでも、よほどの教育がないとこの言葉は使いこなせない。」

あるいはgood(98ページ)。「これは最も基本的な言葉で、これが十分にこなせたら、英語のフィーリングは身についていると言えるくらいのものである。」

こういう解説が延々と続く感じです。

 

この本で単語を覚えようとするのは間違いですね。すでに知っている単語の理解を深めるための本だと思います。

したがって本書を楽しむには、かなりの語彙力が要求されると思う。少なくとも『究極の英単語vol4』や『出る順パス単英検1級』をマスターしているレベルは求められる気がする。

 

姉妹編の『英語類義語活用辞典』(ちくま学芸文庫)のほうが登場する単語が易しく、とっつきやすいですね。あれなら本書ほどの習得語彙は要求されないと思う。

どちらから読もうか迷っている人は、『英語類義語活用辞典』のほうから読むことをおすすめします。

 

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Posted by chaco