『世界史の誕生』1206年、世界史がはじまった【書評】

2020年3月1日

岡田英弘の『世界史の誕生』(ちくま文庫)を読みました。

 

中央ユーラシアを中心に、西洋史と東洋史を統一する世界史を創り上げることを試みています。

同じようなテーマの本として岡本隆司の『世界史序説』(ちくま新書)という良書がありますが、本書のほうが何年も先駆けていますね。

 

著者によると、歴史には地中海の歴史と中国の歴史のふたつしかありません。他の地域の歴史は、このふたつの歴史の影響下で成立したものにすぎない。たとえば日本史は中国史のロジックを転用したもので、日本人が語る西洋史にすらその影響が及んでいます。

地中海の歴史と中国の歴史、このふたつが分離していることから、世界史や日本史への影響をふくめて様々な悪影響が出ていると著者はいいます。

 

中央ユーラシアの観点からふたつの歴史を統一し、完全な世界史を構成すること。それが著者の目標になります。

そのためのキーになるのがモンゴル帝国です。モンゴルが東と西を結びつけたからですね。テムジンがチンギス・ハンを名乗るようになった1206年、これが世界史のスタートラインです。

 

本書の主軸をなすのはモンゴル帝国を中心とする中央ユーラシアの歴史ですが、その前に、まず地中海の歴史と中国の歴史が解説されます。

個人的には、「地中海の章」のユダヤ民族を語ったところが一番おもしろかったですね。ヨハネ黙示録を読んでみたくなります。

 

上にも書きましたが、同じテーマの著作としては岡本隆司の『世界史序説』(ちくま新書)もおすすめです。

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Posted by chaco