コミュニケーション重視の英語教育に効果がない理由

2021年1月27日

外国語を話す男性

「日本人は英語が使えない。これは学校の英語教育が役に立たない知識ばかり教えているからだ。コミュニケーション重視の英語教育にせよ」

よくこのような主張がなされますよね。しかしこの方向性はまずいです。

もしコミュニケーション重視の教育になったら、日本人の英語力は壊滅的な状態になる可能性が高いと思います。

インプットによる基礎力がなければアウトプット力は伸びない

なぜコミュニケーション重視の英語教育がダメなのか?

それは文法や読解などの基礎力がなければ、スピーキングなどのアウトプット能力も低レベルにとどまるからです。

アウトプットの訓練は大事です。また現在の学校教育にアウトプット訓練が足りていないことも事実。

しかしそれは、インプット教育が無意味であることを意味するわけではないのです。

 

インプット教育による基礎力があって初めて、アウトプット力はぐんぐん伸びていきます。この基礎力が弱いと、いくらアウトプットの訓練をしても上限は低くなる。

瞬間英作文で有名な森沢洋介が言っているように、英語圏に留学しても基礎力がついていなければ英語ペラペラにはなりません。海外で上達する人は、すでに基礎力の固まっていた人なのですね。

基礎力というのはTOEICでいうと最低でも600点ぐらい。ちなみにTOEICは基礎力を測るのに適したテストです。

そして学校教育は、この基礎力を伸ばしてくれます。決して無意味な知識を詰め込んでいるのではないのです。

 

高いポテンシャルをもった学生が伸びなくなる

コミュニケーション重視の英語教育がダメなもう一つの理由は、低いレベルに合わせると高いポテンシャルをもった生徒が伸びなくなるというものです。

読み書きなどを教えれば、彼ら彼女らの英語力はあらゆる方向にぐんぐん伸びたはず。難解な文章を読むことも、しっかりした英文を書くこともできたはずです。コミュニケーション重視だと、それが低レベルに抑えられてしまうのです。

読解やライティングなどの高度なスキルはもとより、コミュニケーション能力も本来達していたはずのレベルに届かなくなります。上述のように、アウトプット力はインプットによる基礎力に依存するからですね。

こうなると、社会全体の英語力のレベルがダウンしてしまいます。

 

実力別にクラスを分けるのならまだありですね。たとえば初級クラスにはせめて日常で役立つコミュニケーション能力だけでも教えようというふうに。

しかし一律に学習レベルを落とすのはダメです。

 

英語力を底上げするには勉強時間を増やすしかない

結局、日本人の英語力を上げるには勉強時間を増やすしかないですね。

コミュニケーション重視に切り替えるのではなく、現在のインプラント型教育に、実践的なアウトプット型教育を追加するのです。

現在の学校教育にアウトプットの訓練が足りていないのは間違いない。しかしだからといって、現行のインプット教育を削ってしまっては壊滅的な事態になります。インプット教育は基礎力の向上に不可欠であり、この基礎力の上でアウトプット力が伸びるのですから。

インプット教育の上にさらにアウトプット教育を追加する。これしかないと思います。

英語学習

Posted by chaco