2019年上半期に読んだ本ベスト10

2021年2月1日

本棚

早いもので2019年の下半期に突入してすでに1ヶ月が消し飛びましたが、今更ながら、2019年の上半期に読んだ本からトップ10を選出しておこうと思います。

今年の終わりには、この10冊と下半期に読んだ本を合わせたなかから、2019年のベスト10を決める予定。

 

第10位 井辻朱美『ファンタジーを読む』

僕はファンタジーが好きでけっこう読みます。指輪物語、ナルニア、はてしない物語、ハリーポッター、バーティミアスなどは原書で読みましたし、日本のものでも十二国記や守り人シリーズなどを読んでいます。

でもファンタジーの評論は読んだことがなかった。で、はじめて読んだファンタジー系の評論がこれ。この本のおかげでファンタジーについての背景知識が増えました。

 

第9位 井上智洋『人工知能と経済の未来』

数年前にベストセラーになっていた新書です。経済学者が語る人工知能の話。

議論の細部には粗があるものの、勢いがあって読み物としておもしろいです。著者の思想がほとばしる系。特にあとがきのバタイユ論は鮮烈だった。

 

第8位 ハラリ『サピエンス全史』

今回唯一の洋書がこれです。人類史を振り返る世界的ベストセラー。特に前半がおもしろい。農業についての固定観念が崩れます。

文章も読みやすいです。また独特のブラックユーモアがあります。ちなみに僕は最初のページを暗唱しました。内容といい文の構成といい非常にユニークかつ質が高いので、英語学習者は1ページ目を暗唱すべき。

 

第7位 國分功一郎『暇と退屈の倫理学』

若き哲学者のベストセラー。ずいぶん前からいつか読もうと思っていた本です。あまりに退屈だったので逆に今こそチャンスと思い手に取りました。

ハイデガーを読み解く箇所がおもしろいです。エッセイのようにすいすい読める本ですが、中身はハイデガーの『形而上学の根本諸概念』を再構築するという本格的な内容。

 

第6位 大澤真幸『社会学史』

人気の社会学者が書いた、社会学の通史です。これが新書で読める喜び。僕は新刊を買うことはほとんどないのですが、この本は発売後すぐに買ってしまいました。

大澤真幸はオリジナルの議論を展開すると話が飛躍しすぎてついていけないものがあるのですが、他人の思想を解説させると本来の頭の良さが発揮されてすごく読みやすい本になります。

 

第5位 岡義武『国際政治史』

国際政治の分野を代表する名著です。岡義武は学界の頂点に君臨したごりごりの学者なのですが、その作品は読み物としてのおもしろさを兼ね備えているのが特徴。

文章は堅いしスラスラ読める本ではないのですが、なぜかおもしろいのですね。国際政治の本ではキッシンジャーの『外交』と本書が双璧か。

 

第4位 丸谷才一『快楽としての読書 日本編』

芥川賞作家、丸谷才一の書評集です。文学だけでなく、あらゆるジャンルを扱っています。これのおかげで読みたい本が増えました。

海外編とミステリ編もあるらしいので、そっちもいつか読んでみるつもり。

 

第3位 丸谷才一『闊歩する漱石』

これも丸谷才一の本。漱石をモダニズム文学の先駆とみなす、ユニークな漱石論です。

丸谷は批評家としても一流で、彼の書く文学史は読み物として非常におもしろいです。

 

第2位 樺沢紫苑『アウトプット大全』

精神科医の説くアウトプット術。最近ベストセラーになっている本ですね。

とても役に立ちます。多くの人が、インプット偏重であったことに気づかされるでしょう。また読み物としてもおもしろいです。

 

第1位 新井素子『AI vs 教科書が読めない子どもたち』

圧倒的1位ですね。下半期によっぽど強烈な弾が登場しない限り、これが通年でも1位になると思います。

数学者が書く人工知能の本。哲学的考察の書でもあり、数学・科学の啓蒙書でもあり、教育という社会問題を提起する本でもある。そのそれぞれにおいて、圧倒的な学びがありましたね。数年に1冊あるかないかの良書かも。

 

たまたまでしょうけど、僕の場合いつも下半期にすごい本と出会います。今年も7月の段階ですでに好調。

おそらく2019年トップ10はかなり入れ替わるんじゃないかと予想します。