【洋書】現代アメリカ文学の始原『トム・ソーヤーの冒険』【書評】

2021年2月8日

マーク・トウェインのThe Adventures of Tom Sawyer(邦題は『トム・ソーヤーの冒険』)を読みました。

マーク・トウェインは現代アメリカ文学の根っこに位置するような作家で、『トム・ソーヤーの冒険』と『ハックルベリーフィンの冒険』がとくに有名。

読んでみて驚いたのは、ハックルベリーフィンがばんばん登場するところ。『トム・ソーヤーの冒険』にハックルベリーフィンが登場することは知っていましたが、ここまで準主役級として登場しまくるとは思っていませんでした。

ハックルベリーフィンは浮浪児のような暮らしをする悪名高い少年で、トムの友人です。文明を放棄したかのような暮らしぶりとそのキャラが特徴。

 

マーク・トウェインは楽天的な近代主義者として出発したものの、後年ペシミズムに陥り、作風が暗くなったとよく言われます。

しかしハックルベリーフィンの言動を見ると、この頃からすでにそういう作風は胎動していたんじゃないかと思えますね。

物語の後半、トムといっしょに財宝を手に入れたハックはお金持ちの夫人宅にかくまわれることになるのですが、その文明的な暮らしに嫌気がさし脱走。連れ戻しに来たトムに向かって次のようにいいます。

Tom, being rich ain’t what it’s cracked up to be. It’s just worry and worry, and sweat and sweat, and a-wishing you was dead all the time. (Mark Twain, The Adventures of Tom Sawyer

文明のなかで豊かな暮らしをしたって、その内実は心労と苦労の連続。これなら死んでたほうがマシじゃないかというんですね。

『トム・ソーヤーの冒険』のなかで、ハックルベリーフィンのこの台詞がいちばん印象に残りました。

英文は読みやすかったです。子ども向けとされる洋書でも実際に読んでみると難易度はピンからキリまであったりするんですが、これは評判通りの読みやすさだったかなと。

5月ごろから『ハックルベリーフィンの冒険』も読み始める予定です。